詩 【竹取物語】岩波文庫版・レビュー〜誰もが知る「かぐや姫」のお話 概要「かぐや姫」の昔話は日本人ならば誰しも子供の頃に聞いたことがあるだろう。『竹取物語』がそれだ。ある漢文の教科書に言葉はまず話され、聞かれるのであって、文字というものは後から付け加えられるのだ、と書いてある。同じように私たちは文字を覚える... 2020.11.07 詩
哲学 【般若心経】中村元訳・岩波文庫より〜”馬の耳に念仏”に付いて考える 中村元”馬の耳に念仏”はうまく真理を言い当てている。日本の東北の田舎に生を受けながら、今までこの経の有り難み(と言おうか)がわからなかったなんて!ちなみに実家は曹洞宗で葬式や命日では必ず和尚さんの念仏を聞く。『般若心経』もきっと何回も聞き、... 2020.11.06 哲学
小説 【夏目漱石】『坊ちゃん』レビュー〜荒くれ新米教師の奮闘記 概要新潮文庫で読むのが好きな夏目漱石、『坊ちゃん』は本文180ページ弱ですぐ読み終わる。反対に読み応えを求める人には500ページ越えの『吾輩は猫である』が良いだろう。『坊ちゃん』は書き下ろしだったようで、連載ものでなく一続きの作品なのである... 2020.11.05 小説
詩 【万葉集】柿本人麻呂・和歌〜ひむがしの 野にかげろひの 立つ見えて〜レビュー 和歌高校の頃誰でも習う、脳天の奥底に記憶させられ焼き付いているこの和歌、東(ひむがし)の 野にかげろひの 立つ見えて かへり見すれば 月かたぶきぬは『万葉集』に納められている。全訳古語辞典などで”ひむがしの”で引くと和歌の項目で出てくる。一... 2020.10.30 詩
詩 【清少納言枕草子】岩波文庫レビューシリーズ「第九段」うへにさぶらふ御猫は、〜 シリーズ第2回目。今回は動物愛護団体から苦情が来そうな、当時の宮人のサディステイックな性格を垣間見る驚きの内容。これをワイルドととるか、野卑ととるかは私たちに委ねられている。御猫陛下の可愛がっている猫”命婦のおとど”がある時、日向で行儀悪く... 2020.10.29 詩
詩 【清少納言枕草子】岩波文庫レビューシリーズ「第八段」大進生昌が家に、〜 恐れ多くも最近ハマりつつある古典しかも超大御所『枕草子』をレビューする企画第一回目。学者のみか多くの小説漫画などに取り沙汰され、今さら筆者などの出る幕では一切ないが、自らの嗜好には勝てず。無謀にも試みる。(なお筆者は素人であるので解釈の間違... 2020.10.28 詩
小説 【夏目漱石】『吾輩は猫である』感想・レビュー〜無常観とユーモアの知的な共存 アイキャッチ画像:宮城県大崎市岩出山”有備館”床の間概要あらためて漱石を読み返しながら気づかされることの多さに驚いてきた。前にも”漱石は偉くなろうとしなかった唯一の作家である”などとわかったような事を私は書いてきた。その気持ちは変わりはない... 2020.10.27 小説
小説 【芥川龍之介】『羅生門・鼻・芋粥』感想文〜感想のみ、大人向け 『羅生門』今日本文学を見直しているところだ。その一貫で芥川をもという訳なのであるが、どうだろう、上記の3代表作の出来栄えは。まず『羅生門』。教科書に載っていて高校の頃作家の描く不気味な”夜”そして盗賊の持つ”悪”に背筋を震わせたものである。... 2020.10.25 小説
小説 【芥川龍之介】『偸盗』感想・レビュー〜迫真、大正時代のアクション小説 概要見出しに”アクション小説”と書いたが、これは私の率直な感じ方であり、この作品の一番”芥川ってすごいな”と思った部分である。解説や学者様の評論は放っておこう。読んで感じたままを書く、それが本ブログの流儀だから。概して平安時代の文献を出典と... 2020.10.21 小説
小説 【芥川龍之介】『地獄変』感想・レビュー〜芸術のために我が子を焼き殺す絵師 概要『地獄変』が元にしている「宇治拾遺物語」は鎌倉時代の古典で、芥川がよく材料にする「今昔物語集」は平安時代のもの。どちらも古語辞典なしでは読めないけれども、芥川の短編を読んで興味を持たれたならぜひ原典にもチャレンジしてみたい。芥川の作品は... 2020.10.15 小説