2018-10

小説の闘牛場

三島由紀夫『金閣寺』レビュー|狂気と美が燃え上がる“赤い傑作”

【三島由紀夫】『金閣寺』レビュー|完全な変質者による、完全な変質者の書再読して確信したこと三島由紀夫の『金閣寺』を、めぐりめぐって再読した。私にとっては三島作品の“入り口”だったが、初読のときは何がなんだか分からず、ただ文章に圧倒されたまま...
思考の化石

【ダイエット】カロリー計算のメリット・デメリット|空腹・制限生活のリアル

【ダイエット】カロリー計算に潜むツラさ〜そのメリットとデメリット仕事が忙しくなると、どうしてもブログが疎かになる。書くのが面倒くさくなるのも、まあ仕方がない。作家という生き物は、暇があってこそ成立する生き物である。余裕がないと、面白い記事も...
小説の闘牛場

谷崎潤一郎『卍(まんじ)』あらすじと感想|女性の愛と情念の迷宮

谷崎潤一郎『卍(まんじ)』あらすじ・感想|女の愛が絡み合う、黒く艶めく情念の渦谷崎潤一郎が40代に手がけた小説『卍(まんじ)』は、関西弁による女性の独白体で語られる異色作。句読点を極力省き、ひらがなを多用する独特の文体は、読者をじわじわと物...
詩煩悩

泉鏡花『多神教』レビュー|神道・呪術・幻想の戯曲世界

【泉鏡花『多神教』レビュー】呪術と神々が踊る神道的ファンタジア戯曲概要と時代背景泉鏡花の戯曲『多神教』は、昭和2年(1927年)に発表された比較的後期の作品である。鏡花文学といえば明治期の耽美的な散文が主として知られるが、本作は舞台芸術に寄...
小説の闘牛場

谷崎潤一郎『細雪』感想レビュー|姉妹の情と婚活を描く昭和の名作

【谷崎潤一郎】『細雪(ささめゆき)』〜遅すぎる婚活・昭和初期バージョン本作『細雪』は、谷崎潤一郎が第2次世界大戦中に戦火を逃れつつ執筆した長編小説。中央公論での連載はわずか2回で軍部の検閲により中止されましたが、谷崎は筆を止めることなく書き...