疑似学術地帯 【空海・密教入門⑦・最終回】外道と二乗──仏教が斬る“偉大さ”の誤解 外道──道を外れるもの仏教における「外道」とは、仏法以外の一切の教えを指す。文字通り「道を外れた者たち」であり、サンスクリット経典を翻訳した三蔵たちは、この語に老荘思想の「道(タオ)」の観念を重ねて訳したと思われる。『法華経』如来神力品には... 2021.04.28 疑似学術地帯
疑似学術地帯 【空海・密教入門⑥】第一住心と曼荼羅宇宙論──空海の詩的構造思考を読む 羊──第一住心という地獄の門『十住心論』では、第一から第十まで、段階的に「住心」が解説される。その主体は、空海が唐から請来した密教経典群であり、他にも顕教・外典・古代中国の儒道思想までが引用され、各章の冒頭には空海ならではの詩文的書き出しが... 2021.04.26 疑似学術地帯
疑似学術地帯 【空海・密教入門⑤】日本仏教とは何か──言語・翻訳・“義”の文化論kuukai-jyuushinron-5 伝来──文字と仏教の交差点日本の仏教は、なぜいまのような姿になったのか。その起点は、古代インドの釈尊にある。仏教はインドから中国へと伝えられ、翻訳事業が盛んに行われた。サンスクリット経典が中国語に翻訳される過程では、義(意味)を重視する訳と... 2021.04.25 疑似学術地帯
疑似学術地帯 【空海・密教入門④】仏教はPUNKだ──誓願・三密・力の本質を語る 誓願──仏教は生きるためのツールだ禅宗には四弘誓願、真言宗には五大願がある。形こそ違えど、いずれも仏教徒の誓いであることに変わりはない。三帰依、十重禁戒、十善戒などもまた然り。その根幹にあるのは、「成すべきことは断固として実行し、成すべきで... 2021.04.25 疑似学術地帯
疑似学術地帯 【空海・密教入門③】禅を超える継承者──弘法大師と中期密教の奇跡 伝達(続き)──禅宗との比較から見えるもの禅宗では、お釈迦様から代々の仏祖に伝えられた「正法眼蔵」が単伝されてきたとされる。その祖として中国では達磨大師が挙げられ、日本曹洞宗では道元がこの法を継ぎ、日本に伝えたとされる。だが、この「伝光録」... 2021.04.25 疑似学術地帯
疑似学術地帯 空海『十住心論』と日本密教の伝達|真言の神力と天皇制の思想 十住心(続き)──なぜ日本の密教はわかりにくいのか?空海によって日本に伝来した密教経典群。だが現代の私たちにとって、その意味はあまりに掴みがたい。チベット密教に慣れ親しんでいる人にとって、日本の密教は「異様に複雑で難解」だと感じられるかもし... 2021.04.25 疑似学術地帯
疑似学術地帯 空海『秘密曼荼羅十住心論』の読み方|密教入門と準備すべき書物とは はじめに──空海の思想に挑む覚悟『秘密曼荼羅十住心論』──この圧倒的な題名だけで心が騒ぐ。空海の全著作の中でも屈指の重厚さを誇る本書は、仏教思想の深淵を覗き込む行為にほかならない。今回用いたのは、岩波書店『日本思想体系』第5巻。ずしりと重い... 2021.04.25 疑似学術地帯