2018-09

小説の闘牛場

『痴人の愛』谷崎潤一郎|ナオミの魅力と倒錯する愛の心理劇【あらすじ・感想・考察】

この小説は文庫版で300ページほど;長編に分類されるが微塵も長さを感じさせず、あっという間に読み終わる。ストーリーは一人称で”です。ます。”調の丁寧な現代語の語り口で進む;しかし谷崎潤一郎先生を読むのであるなら、少なくともこれの前に「刺青」...
詩煩悩

【ホメロス】『オデュッセイア』あらすじと感想|冒険と幻想の原点を読む

【ホメロス】『オデュッセイア』紹介|幻想と冒険の原型がここにあるホメロス——紀元前8世紀頃に活躍したと伝えられる、古代ギリシャの伝説的詩人。その名を聞くだけで、「詩」という言葉が本来持っていた魔法のような響きを思い出させてくれる。現代では甘...
小説の闘牛場

谷崎潤一郎『春琴抄』レビュー|盲目の師弟関係が描くサディズムと美の極地

谷崎潤一郎『春琴抄』レビュー|盲目の男女師弟がたどる究極の愛と服従の物語谷崎潤一郎の1933年発表の中編小説『春琴抄』を紹介しよう。 主人公「春琴」こと鵙屋琴(もずや・こと)は、実在の人物ではなく、物語は完全なフィクションである。読みやすさ...
哲学的偏見

プラトン『ゴルギアス』あらすじと考察|哲学者ソクラテス、弁論術と俗世間に立ち向かう

【プラトン】「ゴルギアス」弁論術について〜罵倒される哲学者この対話篇は少し長いけれども読みやすい;しかし倫理的・道徳的内容のために、現代の若い読者にはやや退屈な思いをさせるかもしれない。だが読み終えれば有益なこと請け合いの名著でもあり、休憩...
哲学的偏見

【アリストテレス】地震と天界の関係とは?『気象論』に見る古代哲学と予知思想

地震はなぜ起こるのか?|アリストテレス『気象論』と古代の予知思想を読む“古代ギリシア最高の知性”とも称されるアリストテレス。その著作『気象論』では、雷や風、雨だけでなく「地震」までもが扱われています。本記事では、この古代の哲学者が地震をどう...
評論詐欺

谷崎潤一郎『文章読本』レビュー|職人作家が語る“究極の文章論”とは?

谷崎潤一郎『文章読本』レビュー|小説家による究極の文章マニュアルとは1934年に発表された谷崎潤一郎の『文章読本』は、日本文学の巨匠による“文章の書き方”を論じた名著である。芸術的な文章を目指す人だけでなく、日々のブログ執筆やライティングに...
評論詐欺

谷崎潤一郎『陰翳礼讃』レビュー|日本建築と闇の美を語る美学的エッセイ

谷崎潤一郎『陰翳礼讃』レビュー|闇の中に宿る日本の美学とは※北海道地震により被災された皆様へ、心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧をお祈りいたします。作品概要|光を拒む芸術論としての随筆『陰翳礼讃(いんえいらいさん)』は、谷崎潤一郎が...
思考の化石

超初心者でもできる!独自ドメインでブログ・ホームページを作る方法【WordPress対応】

【超入門】初心者でもできる!ブログ・ホームページの始め方ガイドどうもこんにちは :-D最近ちょっと忙しくて読書レビューが停滞気味……というわけで今回は気分を変えて、「自分のブログやホームページを作ってみたい!」という超・超・超初心者の方向け...