「小説」 一覧

【屍鬼二十五話】ソーマデーヴァ作〜死体に取り憑いた悪霊が物語る伝奇集 紹介・感想

2019/08/21  

きっかけ 20年以上前、私のチベット仏教知識の元である川崎信定訳『チベット死者の書』解説を読んでこの本の興味を持ったのが最初だった。 そこに”アジア全域に流布された脱魂伝奇説話として有名なものに、イン ...

【ポリフィルス狂恋夢】「ヒュプネロトマキア・ポリフィリ」洋書レビュー〜難解な象徴と寓意のオン・パレード

2019/07/27  

澁澤龍彦氏が『ポリフィルス狂恋夢』のタイトルで著作中紹介しているにも関わらず、邦訳は2019年に到るまで出てこなかった。魔道書の訳業やブログでも有名な大橋喜之氏のそれである。 しかしこの完訳は日本円で ...

【エドガー・アラン・ポー】短編「息の喪失」レビュー〜呼吸は生きていることの証

2019/07/25  

概要 ”気息”というものは生き物が生きていることの証、体があっても呼吸していなければただの死体である。生き物を単なる物体から区別するのは息であり、息によって動物は色々な行為をするために体を動かすことが ...

【エドガー・アラン・ポー】短編「ペスト王」レビュー〜疫病が蔓延した隔離街での宴会

2019/07/24  

エドガー・アラン・ポー氏の1835年9月発表の短編小説「ペスト王」" King Pest"の感想やレビュー。 気まま勝手号 ユニークなタイトルからも予想される期待通りの作品。スクーナー商船”気まま勝手 ...

【三島由紀夫】短編「葡萄パン」紹介・感想〜『マルドロールの歌』とダンス・パーティー

2019/07/10  

自選短編集『真夏の死』には三島氏の解説付きである。本レビューは一応それにも目を通したうえで進める。 流行語 「葡萄パン」は1963年(昭和38年)『世界』という雑誌に発表された。サイケデリック全盛期? ...

【三島由紀夫】短編「翼」紹介〜爆弾で吹っ飛ぶ乙女の儚い恋

2019/07/08  

三島由紀夫の異色短編作「翼」の紹介;こちらは氏自選短編集に収められており自身の解説付きだが、本レビューはそれを読んでいない。発表は昭和26年5月『文学界』となっている。 戦後 個人的に三島由紀夫氏の短 ...

【エドガー・アラン・ポー】短編「メルツェルの将棋差し」〜自動人形のからくり

2019/06/29  

エドガー・アラン・ポーの1836年の短編「メルツェルの将棋差し」紹介。 挿絵 創元社の全集にあるテキストは小林秀雄氏がバイト時代にボードレールの仏訳を重訳したのが最初と書いてある;その時は拙訳だったの ...

【エドガー・アラン・ポー】短編「アモンティリャアドの酒樽」〜地下墓地に響く復讐の鈴の音

2019/06/28  

エドガー・アラン・ポーの短編集を有名でない作品まで爪楊枝でほじくるように味わい尽くすシリーズ。今回は「アモンティリャアドの酒樽」の紹介。 憎しみ 奴が憎い。殺したい。恨みがある。大嫌いだ。主人公がそん ...

【エドガー・アラン・ポー】短編「タール博士とフェザー教授の療法」〜精神病者たちの反乱

2019/06/27  

エドガー・アラン・ポーの短編「タール博士とフェザー教授の療法」の紹介。 鎮静療法 映画「シャッター・アイランド」を思わせるとある精神病院を舞台にした話。 主人公はフランスを旅しながら精神病院”メゾン・ ...

【エドガー・アラン・ポー】短編「ちんば蛙あるいは鎖がれた八匹のオランウータン」〜道化師の復讐

2019/06/23  

エドガー・アラン・ポー短編「ちんば蛙あるいは鎖がれた八匹のオランウータン」"Hop-Frog"(原題)の紹介。 冗談国王 冗談大好き国王と7人の大臣たち、この冗談国家で”ちんば蛙”と呼ばれた小人は宮廷 ...

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