極東は東南アジアなんかを指すが中東といえば人類が地球上に発生してから、最も重大な文明や信仰が培われた地域でもある。
しかし過去の偉大な栄光は衰え、現代ではそれらの国々を人々が思い浮かべるや「恐い」「行きたくない」「気味が悪い」印象しかない。それはなぜか?
なぜ大地と海は分かたれているのか;世界地図があのような形なのはなぜか。ともかく中東とはあのような形をしている。
今回はそんな地域の処刑動画などでもお馴染みの首斬りの話である。人が人を殺す;最も原初的なやり方。すなわち胴体と頭を劔で切り離すこと。しかも女性が軍の司令官の首を切り取るのである!
司令官
アッシリアの王に攻め込まれたユディトのお仲間国は司令官ホロフェルネスにより包囲された。水源を抑えられ住民は渇きでバタバタと倒れる。祭司は困り果てて天の神に祈りあと5日のうちに助け給え、それが駄目なら降伏すると訴えた。
それを聞いた寡のユディットは非常に神を恐る女であった。彼女は主を試みてはならぬと諭し、自らが考えたアイデアで敵を撥ね付けようと提案する。彼女はとても美しかったが、喪服を脱ぎ晴れ着をつけ飾りを身につけると誰も太刀打ちできぬほどの妖女と化した。
彼女は下女一人だけを連れて街を出て敵陣にまで進み、味方が降伏するつもりであると嘘をつく。司令官も他の男たちもユディットの美しさに負け言いなりになる。
やがて宴会の席で司令官はあのヘブライのいい女を呼ぶようにと命ずる。あんな女を抱かずに返せばかえって笑われるであろうと。
宴会
ホロフェルネスは自分のテントで酔いつぶれて寝てしまったところを、二人きりで付き添っていたユディットは劔を取り、主なる神に祈りを唱えた後力の限り司令官の首を打った。
切り落とした首は食料袋に入れて持ち帰り、味方に城壁に吊るさせた。敵は司令官が死んでおり頭部が消失しているのを認めて驚き、逃げ出した。ユディットたちは逃げる敵を襲って倒し、分捕り品も豊富に獲得した。
このような話が後世に残すべきことととして旧約聖書外典として記録されている。「ユディット記」は数々の文学作品や絵画などの題材になる有名な文書である。
まとめ
日本の大学生ぽい若者が中東で処刑される動画では、崇高だが背筋の寒くなるような音楽がかけられ、黒覆面の男たちに取り押さえられ、床に倒され、ナイフであっさりと首を切られる。血まみれの戦利品は提灯のように高々と掲げられ、星条旗に胴体共々投げ捨てられる。
三島由紀夫は力技の切腹を敢行し学生の付け焼き刃の介錯で絶命したが、三島の場合の首は切り落としてしまえばあっけなく見えても、切っている時は大変だったようである。本来介錯は一瞬の苦痛も与えず切腹人を殺す慈愛の行為である。
このように元来斬首は残酷な行為のように現代では思われているが、昔は普通のことだったのだろう。