エッセー

【マスク】高額転売禁止法律の制定と闇取引の台頭の影に潜む罠についてのエッセー

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巷に横行する「マスク不足」によるパニックについて思ったことを書いていく。

コスト

一応年数千円のコストを払いモラルぎりぎりとまでは行かずともざっくばらんな境界線を保持している、一平凡なサイト運営者の特権として「マスク不足」とそれに付随して起こっている社会現象について考えたい。

筆者はあまり時宜に叶う話題、すなわちSEO的に”トレンディ”なオブジェは扱わない。しかし今回の「マスク不足」については、見ていてあまりにも不思議なので、自分のための覚書の意も含めて扱ってみようと思った次第ではある。

(その際よく読者の共感を得ようとして用いられる、”ですよね”とかは使用しない。ああいう言い回しは一文字一銭の内職屋の欺きなのだ)

アイテム

この雰囲気はネットゲームであるアイテムの価値が急に上がるのに似ている。不足しようとすまいと、マスクは変わらずマスクのままだ。作りが変わったわけでもない。変わらず中国や他の途上国で食い物にされている安賃金の労働者が安いコストで作っている。

にも関わらずなぜこんな物が高額で販売されたり、麻薬のように法律を掻い潜ってまで闇取引されたりせねばならないのか?禁酒法の時代に酒やタバコが闇取引されるのとは、また違う。なぜならマスクは自分の体の健康状態に懸念を示す人が使う代物だからだ。

別にCOVID-19が幅を効かせなくとも、例年花粉症の人や風邪を予防したい人などは、当然マスクを求めるし、いつもの習慣通りマスクを付ける。筆者もまた数年前に買った某ドラッグストアの65枚入りマスクを使っている。

この安物のマスクは、記憶する限り5年間で二箱目だ。一冬シーズン3〜4枚しか使わないのに、それでも2020年は厄介なご時世なので普段よりマスクを付けているため、まだ無くならない。これがもし無くなっても、さらに20年近く前に買ったガーゼマスクが一袋ある。

病気

たとえ外部で何が起ころうとも、私にとりこれらの物体が物体以上の価値を帯びることはない。どうせ人はいつか必ず死ぬ。そう考えて今日まで生きてきた。モーツァルトが死んだ30代前半、死ねなかった。エドガー・ポーが死んだ30代後半も。

ボードレールが死んだ年齢でも死ななかった。あとはデカルトの50代の死だ。いくらなんでも50代で死ぬだろう、そう思っていた。もしCOVID-19で死ぬならば、同じ肺炎で死ぬのだから光栄だろう。

中国製

筆者の持っているマスクの製造場所を箱で見たところ、やはり中国製と書いてあった。日本人はお国で販売する製品を外国で製造させることが多いが、これは(あくまで推測であるが)人件費を安くすることによって販売価格を下げるためであろうと思われる。

個人的には、マスクはもう店では買えないと考えている。国が全部買い占めて福祉的に配布するようになるだろう。しかしこんな物がこんな貴い物に価値が上がるとは、一体誰が考えたろう?

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