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【一級建築士】試験 勉強法と合格体験談〜40代で挑んだ記録

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「建築士は,常に品位を保持し,業務に関する法令及び実務に精通して,建築物の質の向上に寄与するように,公正かつ誠実にその業務を行わなければならない」と建築士法に書かれている。この記事を日常というカテゴリーのひとつとして見るならば、サイト掲載には何ら問題なかろうと判断する。むしろ少しでも受験生やこれから一級建築士にチャレンジしようという人の参考になればと思った次第である。

 難易度

一級建築士試験の難易度は極めて高いと言わざるを得ない。もしそれを取ろうと一度決めたら、ゴールまで一切遊ぶことを諦めよう。5分でも時間があったら、どんな隙間時間でも公式のひとつ、用語のひとつ、問題のひとつでも解くように心がけなければいけない。でなければ学科試験を通ることはできない。

よし学科が受かったとしよう。次は6時間半の設計製図試験がある。その後3回まで学科試験は免除される。もう二度と学科の勉強はしたくないし、金もかけたくない。絶対に受からなければならない。

製図の勉強はそんな学科と比べ物にならないくらい時間と労力を要する。何故なら学科には目標となる合格点があるが、製図は上から順番に受かるためひたすら勉強し続けるしかないのだ。「もう大丈夫だ」などというラインは全くない。

であるから製図の勉強になるとそれを楽しむしかない。遊びたいとか辛いとか考えなくなる。地獄を天国に変えるのだ。

 挑戦の時期

このような時間と体力を要する試験なため、年齢が若くないととても苦労するだろう。理想は良い大学を出てすぐチャレンジして20代で取ってしまうこと。遅くても35歳まで合格することであろう。私のように40過ぎて無理にチャレンジすると体を壊したり精神を病むおそれがある。

学校選び

学校は色々あるがなるべく早く受かりたいなら「総合資格学院」しか選択はない。学費は高いがそれ相応の効果が得られる。入学金以外にも世間が連休の時などはさらにオプション講義で金がかかるから、貯めておいた方が良い。

 学科の勉強

試験科目や時期、内容はご自身で調べていただきたい。では筆者の体験を書こうと思う。

私は大学は出ておらず二級建築士プラス実務から受験した。東京でお世話になっていた建設会社に勤めながら川崎の総合資格へ通った。年が開ける前にスタートアップ講座をDVDで受講しなければならない。でないと年明けの講義で苦労するから。

次は春からの本講座について行けなくならないよう、年明けの勉強を休みなくドンドン進めなければならない。一回一回の講義とテストを常に合格点を取るように予習・復習すること。弱い部分は徹底的に補強すること。

私は構造がすごい苦手だったのだが、このおかげで最後には一番得意になった。本試験ではほとんど満点を取った。

模試は本試験のつもりで臨み、得点にこだわること。学科は単純に「高得点イコール高合格率」である。

 学科本試験

学科本試験は専修大学生田キャンパスだった。かなり勉強していたので受かることはできたが、「環境・設備」が思わぬ落とし穴で脚切り点ちょうどだった。それ以外は高得点だった。合計でいくら合格点の上を行こうとも、たった一つの科目脚切りで落とされるから注意である。

その年の製図はあっさり落ちた。程なく病気で会社を退職し宮城の総合資格学院へ移行した。

設計製図の勉強

宮城ではあまり忙しくない自営業だったから時間がかなり取れた。先生が100枚書けば受かると言っていたので図面を100枚書いた。わからないところはしつこいぐらいに質問して先生を煩わせたが、合格で恩返しできたので良かった。川崎では受験生が多いので一人一人に先生は構ってはくれないが、仙台校の親切な指導には驚かされた。だが川崎校が講義に遅刻したり宿題を出さないと入室できないのに対し、仙台ではたるんだ生徒にもある程度寛大だったようだ。

事実総合資格仙台校は合格率がトップレベルだった。納得なのは設計製図本試験会場でもわかった。仙台育英学園で受けるのだが、川崎のように海のように受験生であふれかえることはない。教室も二つかそれくらいである。そこにいつも学校で見知った連中が集まるのだから、教室にいるのとほぼ同じ雰囲気だ。まず緊張なんかしない。

私は2014年度に合格したが、これはほぼ奇跡と言って良い。

 設計製図本試験

設計製図本試験の時間配分は学校や参考書で教えているのでここには書かない。ともかく私はとんでもない速さで作業を進めており、はっきり言って余裕だった。問題が予想より「とても簡単」に感じたのだ。だがこの「とても簡単」に見せているのがこの年の罠だった。

大量に余った時間で最後に記述式の見直しをしていると、設問を勘違いしていることに気付いた。慌てて書き直してるうちに時間がなくなったが、できるだけ質問に正確に答えを書き直した。おかげで図面の見直しをする時間がなくなり、余裕だったのが終了間際にはまるきり反対の状況に変わっていた。

終了後学校へ直行し回答を再現、見直しすると図面に色々と不備があった。帰り道車を走らせながら思い返すと他にもたくさんミスしていることがわかった。大きかったのはハネ出しの屋根を支えるはずの柱を一本書き忘れていたことで、これは落ちたと思った。

後日先生に復元図面を提出し採点してもらった時、これ以外はほぼ大丈夫だろうと言われた。神社へお参りに行くようにとアドバイスされ、私は家に帰るとすぐ神社へ行った。

そして合格

なんとか試験に合格できたが、最後まで諦めなくて良かった。合格祝賀会で同じ教室で一緒に勉強した仲間が全員受かったこと、仙台校の合格率が全国でもほぼトップだったことも知らされた。

何より熱心に教え指導してくださった設計製図の先生にこの場を借りてお礼を申し上げる。

最後に設計製図に役に立ったアイテムを紹介したい。VANCOの三角定規である。これはテンプレートと定規が一体となったもので、丸いツマミがついており素早い操作が可能である。時間と労力が大幅に短縮されるのでぜひオススメ。<アマゾン商品リンク>⬇

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