天体観測

【天体観測】望遠鏡で初めての金星の満ち欠けを確認

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話には聞いていたが太陽系で地球の軌道の内側、つまり太陽側を回る惑星は太陽との位置関係によって月のように満ち欠けするという。今朝早朝”明けの明星”状態にあった金星を観測し、満ち欠けの事実を確認した。

明けの明星

国立天文台のサイトなどによると12月2日に最大光度をもって光り輝くだろうと言われている金星は、今朝A.D.2018年11月26日午前4時すぎ頃、宮城県においてすでに圧倒的明るさで東の空日の出前に光っていた。

正直夏に西の方角で惑星が夜空で並んでいた頃、あるいは”宵の明星”状態以来金星をずっと見てなかったのだが、久しぶりに見るこの星はいっそう美しく見えた。地球が一年365日かけて太陽の周りを一周するのに対して、金星は225日だからこんなに早く空に戻ってくるのだろう。

内惑星は金星と水星がある;水星はなかなかお目にかかれない。今朝早く福山雅治が出てくる夢から覚めて手洗いへ向かったところ、東側の窓から金星が大きく光っているのが見えた。おお、これが噂の明けの明星だなと思い、偶然に感謝した。

西の空で月も光っているようだったのでさらに外へ出て観察した;思った通り西の方角に満月をややすぎた月が煌々と照っており、ちょうど夏の夕暮れの日差しに似ていた。そして南西にはすっかり沈もうとしているオリオン座が見えた。

オリオン座の目印であるベテルギウス、リゲルを確認しベテルギウスから輝かしい太古の光を放つシリウスと、大三角形のプロキシォンを目で追った。

西の月、オリオン座

部屋に戻って早起きしないと見れない光景を見たことにほくそ笑みながら30分ばかり休んでいた;望遠鏡を出そうかどうか迷っていた。まだ金星を望遠鏡で見たことがなかったからだ。

むくりと起き上がりちょうど金星が部屋の窓の中に収まり、望遠鏡の三脚台の角度をもってして捉えることができると判断した。手早くセットして窓を開けると、てこずることなく金星をレンズ内に収めた。使い方がだいぶ慣れてきた。

例によって最初30倍、次に75倍のレンズで眺めた。紛れもなく金星は三日月形で光っている;画面で左上が欠けているから実際は右上が欠けていて、太陽の光は東の地平線下方から照っているのだ。そう、もうすぐ夜が明ける。

天体音楽

古代ギリシャのピュタゴラス派が唱えた天体音楽理論はアレクサンドリアの偉大な天文学者プトレマイオスにも受け継がれた;アリストテレスはそんなもの無いと言う。プトレマイオスの音楽論は時を経てヨハネス・ケプラーにおいて見事に蘇る。

筆者もその「天体音楽」がわかるようになったら自分を誇れると思うのだが、まだそこまで至らない。しかし今朝、西の空にゆっくりと移動する丸い月、沈んでいくオリオン、そして太陽の登る前奏曲のような満ち欠けした金星、徐々に明るさを増す東の地平線を同時に見、音楽に似たものを感じた。

それは「宇宙の調和」であり、雑音ならぬ静音からなる音楽なのかもしれない。

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