※この記事は2017年頃の体験と心境を元に執筆された回顧エッセイです。
iPhoneを選ぶ理由──それは、スティーブ・ジョブズが好きだから
スティーブ・ジョブズが亡くなってから、もう7年。彼が築いたAppleは今、彼の美学とは裏腹に多機種展開や高価格化の道を突き進んでいる。
それでも私はiPhoneを使い続けている。理由はただひとつ──ジョブズが好きだから。それ以外に、説明はいらない。
機械を超えた“美”への愛
私はAppleという企業にではなく、ジョブズという人物に惹かれている。今のApple製品は金儲けの道具にしか見えないが、かつての製品には彼の美学と哲学が詰まっていた。
現在使っているのはiPhone SE。それ以前は5年間、iPhone 4を愛用していた。時代の変化に合わせて機種変更はしたが、もしiPhone 4のような軽量で高性能な機種が存在するなら、迷わずそれを選んでいたはずだ。
あのマシンには、単なる道具以上の“魂”が宿っていた。今も私はiPhone 4を机に飾っている。美しい彫刻のように。
巨大化したスマホへの違和感
iPhone 6やPlusシリーズ、7なども店頭で触ったが、あの「これだ」という手に馴染む感覚はなかった。でかい、重い、そして高すぎる。これが電話か?と笑ってしまう。
数十万円する精密機械を片手に持って、ポケットに入らずバッグにしまう──そんな携帯電話に、ジョブズが納得するとは思えない。
iPhone 4──心を掴んだ“最後の芸術”
iPhone 4は、デザインもソフトも完璧だった。iPod機能が統合された音楽アプリは、目と耳の両方を楽しませてくれた。
ジョブズはユーザーが「本当にしたいこと」を理解し、その先の未来まで提示してくれた。初代iPhoneが「10年先の電話」と評されたのも頷ける。
iPhone 4:”すべてを変えていきます。もう一度”
iPad 2とiMac──生活を変えた道具たち
iPad 2は日本発売日に手に入れ、川崎のワンルームで数年間「家宝」として使い続けた。いまは1階の共有機として現役稼働中である。
iPad 2:現役の調べ物端末
iMac(Mid 2011)も未だに主力マシン。ブログを書くのも、日々の仕事もこれ一台で完結している。Windowsだったら、こうはいかなかった。
iMac(Mid 2011)背面
最初の出会い──iPod shuffle
Appleとの出会いはiPod shuffleだった。チューインガムほどの大きさに、CD10枚分以上の曲が入る。簡潔な操作と丈夫なつくり。持つことが楽しい、そう思わせてくれた。
iPod touch──手のひらの宝物
iPhoneを買うか迷っていた時、購入した第4世代iPod touch。これもカバーなしで愛用した結果、背面は傷だらけ。でもそれが美しかった。
iPod touch:カバーなしの記憶
ジョブズの言葉を借りるなら──「傷のついたステンレスは美しい」。それは使い手だけが刻んだ物語だから。
そしてiPhone SEへ
ジョブズ時代の製品しか持っていない私にとって、唯一の例外がiPhone SEだ。それは、彼の美学を最後に継承した外観とサイズ感を持っていたから。
軽く、手に収まり、動作は高速。iPhone 4を現代に蘇らせたような、夢のような機種。
もし、あなたも「それなんだよ」と頷いているなら──あなたはきっと、私の“同志”だ。
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