エッセー

【昭和の漫画】私が子供の頃に夢中になった漫画(1970年代前半)ベスト3

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この世に生まれた人間の記憶の印象は様々に塗り替えられ、上積みされ、原初の純真さを失くす。私はまず五十音を習ったが、あれは小学1年生だったと思う。読み書きを覚えた私は「本」を読めるようになった。

『まことちゃん』

親のプレゼントの絵本や図鑑、伝記にもまして私が一番初めに衝撃を「本」という物から受けたのは、梅図かずおの『まことちゃん』だった。仲良しの従兄弟と同じ名前だったからか、それとも兄弟のいない幼い自分の友達としてだったか、私は恐ろしくこれにはまり込んだ。

以後数年間全冊コレクションし読みふけった。どのようにして購入資金を得、どこの店で買ったのかは覚えていない。ともかく昭和のその頃田舎町では友達と遊ぶ時みんなで寝転がって漫画本を読むとか、どこそこの店に立ち読みに行く、とかは当たり前だった。

第1巻の一話はネットで試し読みできる。表紙を見るだけで笑いが込み上げてくる。めくると和式便器に座って絵本を見ているまことちゃんが書いてあり、便器にはうんこが、そして姉ちゃんの顔がにょきっと出ている。室内には臭い匂いが漂っている。

この時点でこの漫画は只者ではないと思わせる。中身は期待の通り。懐かしくもマッドな幼稚園児である。ちなみに私の記憶に最も強く残るのは、まことちゃんがお使いを頼まれて道中でモナカのあんこを食い尽くし、代わりにうんこを入れる話だった。

『魔太郎がくる』

藤子不二雄『魔太郎がくる』。これは伝説的ホラー漫画で子供の心に傷跡を残す。一巻一話は試し読み可である。転校してきた魔太郎はいじめられ、いじめた奴の目録を手帳に書き込み、夜部屋の中で悪魔大王に祈りを捧げて復讐するのである。

まずこの子供はどこでこのような魔術を習ったのか?悪魔大王は額縁に描かれたただの絵だがこの絵に何か力があるのか?魔太郎はこの大王を「サターン」と読んでいるがこれはキリスト教のあのサタンなのか?ツッコミどころ満載のコミックだが、これが大人になった私の無意識、もし”リビドー”というものがあるならばこれに無言の影響力を与えていることに気付く。

『漂流教室』

他にも『ブラックジャック』『ゲームセンターあらし』『ダメおやじ』などがあるが、ベスト3番目は楳図かずお『漂流教室』である。

これは友達の家に遊びに行き友達の家で寝転んで読んだ。突然学校ごと人類滅亡後の世界にトリップし、子供がサバイバル生活を強いられる。元の場所には巨大な穴が空いている。学校の外は暗黒で巨大な人喰い昆虫とかと戦わねばならない。

ハサミのあるその虫に同級生が体を切り刻まれバラバラにされる場面が、子供の記憶に焼き付いて残った。また楳図かずおはギャグもそうだが恐怖ものの達人で、暗闇や人の恐ろしい表情とか不気味な絵を書くのがすごくうまい。

楳図かずお作品が二つ入ったのも、この人の子供にもはっきりと記憶に残る線、大げさなストーリーと絵、濃厚な暗闇の与える効果によるものであろう。

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