フォースは今も生きているか?スターウォーズ再考と“ローグ・ワン”という奇跡

映画

【スターウォーズ再考】あの銀河系は今、どこへ向かうのか

スターウォーズ——かつて「遠い昔、はるか彼方の銀河系で」という言葉とともに始まり、観る者をその世界に引き込んだ伝説的映画シリーズ。ライトセーバーの煌めき、宇宙船の咆哮、そしてフォースをめぐる善と悪のドラマ。

その始まりは1977年、ジョージ・ルーカスが手がけたエピソードIV『新たなる希望』。この一本が後に全9作にもおよぶ壮大なサーガの扉を開くとは、当時誰が予想できただろう。ルーカスは早くから「全9部作構想」を語っていたが、そのビジョンは年月と共に現実となっていった。

旧三部作〜ジョージ・ルーカスの意志

エピソード4〜6は今となっては古典。しかし、そこに宿る熱量と創意工夫、フォースという“目に見えないもの”への信仰、そして反乱軍と帝国軍の対比がいまなお胸を打つ。

CGは今見るとチープかもしれない。だが、そこには映画作りの「魂」があった。ルーク・スカイウォーカーの成長譚は、まさにジェダイの道を象徴していた。

そして時間をさかのぼる――第二の三部作

1999年〜2005年にかけて公開されたエピソード1〜3では、ダース・ベイダー誕生の物語が描かれる。ジョージ・ルーカスが再び監督を務めたことで、その世界観はブレることなく継承された。

もし一本だけ観るなら、私はエピソード2『クローンの攻撃』を推したい。アナキン・スカイウォーカーという若者がジェダイの規律とパドメへの恋のはざまで揺れ、ダークサイドへと向かう不穏な予兆が全編に張り詰めている。

クローン製造工場での戦闘、ジャンゴ・フェットとの一騎打ち、そして何よりマスターヨーダがライトセーバーを抜くあの瞬間――スターウォーズ史に残る衝撃だった。

だが時代は変わった

ジョージ・ルーカスがシリーズの権利をディズニーに売却してから、スターウォーズはまったく別物となった。もちろん、映像技術は進歩し、ファン層も広がった。しかし、それと引き換えに”魂”が置き去りにされた気がしてならない。

ディズニープラスでスピンオフやアニメシリーズを観てはみるものの、どこか”おこちゃま番組”の印象がぬぐえず、長くは契約が続かない。気がつけば、私はApple TV+で大人向けの静かな作品に癒やしを求めるようになっていた。

スピンオフ映画「ローグ・ワン」に希望はあるか

そんな中でも、『ローグ・ワン』は異色だった。エピソード3と4の隙間を埋めるこのスピンオフは、古き良きスターウォーズをリスペクトしつつ、最新の映像技術と重厚なドラマで仕上げられた“奇跡”の一本だった。

ストーリーに妥協なく、ヒーローたちは全員が消えていくという潔さ。私は劇場で涙をこらえながら、ようやく「これだよ、これが観たかった」と思えた。

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まとめ:銀河の果てより、いま思うこと

スターウォーズは私の青春であり、信仰だった。だがそれが大衆の手に渡った今、私はかつてのように熱く語れない自分に気づく。フォースは、静かに去っていったのかもしれない。

それでも時折、エピソード4の冒頭に流れるあのファンファーレを聴けば、私の中の若きパダワンが目を覚ますのだ。

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