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【メル・ギブソン監督】『パッション』〜福音書のイエス・キリスト受難の映画化

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DVD概要

「マッドマックス」で有名になったメル・ギブソンという過激な俳優は、監督を時々やっている。たまにしかやらないがやるとなるとかなりの拘りを見せる。

この作品も徹底的に凝っており、イエス・キリストが生きていた当時の言語をそのまま使用、吹き替えは一切作らないなどの入れ込み様。

残念ながら動画配信はされておらず全編を見たければDVDを買うしかない。公開当時の2004年頃ビデオレンタルで観て、前々からもう一回観たいと思っていたが、ちょっと思うところあって今回思い切ってDVDを購入した。

DVDというものは今時再生に困る。プレーヤーとかアプリがないと再生できず、リージョン設定とかややこしい。今回アマゾンで購入した商品はwindows8.1と10がOSのDellのノートpcで(少し手間取ったが)問題なく再生することができた。

あらすじ

映画はイエス・キリストの受難に焦点を当てているため、捕縛直前の山の中での夜の祈りから始まる。唯一キリストが恐怖と弱さを見せる箇所である。

それもそのはず、仮に本当の神の子だとはいえ、人間としてこの世にいるのである。鞭打たれれば痛いし、十字架に掛けられれば苦しいし、侮辱されれば精神的に苦しむ。

以下、福音書に忠実に受難が描写される。だがあくまでこれは映画だ、作り物の血だ、そう思っても、今や全世界に語り伝えられているように、ナザレのイエスという人の子が、約2千年前、十字架に掛けられて死んだのである。

受難について

聖書に書かれているのはイエスが茨の冠を付けさせられ、棒を持たせられ、唾を吐かれて叩かれたこと、兵卒に鞭打たれたこと、法廷で多くの誹謗中傷を受け責められたこと、そして十字架刑に処せられたこと、である。

メル・ギブソンの『パッション』はこの拷問と言うにふさわしい受難の描写が残酷だという定評がある。筆者も初めて観たときは直視するに耐えず、もう一度観たいとは思わなかった。

16年も経って今観ても印象は半減などしない。昔のSFX映画を観たときのような気持ちには全くならない。この映画を観て思うのはキリスト教徒だろうと何だろうと、この拷問は誇張されているのかいないのか、という点だ。

拷問について

筆者個人としては50:50だと判別する。十字架刑というものは古代社会で最も残酷な死刑だったという。また鞭打ちも現代人が考えるような甘っちょろいものではなかったという。

現代人はイエス・キリストの受けた残酷な刑罰があまりにもひどいため、頭で想像することができなくなっている。その点この映画は苦痛のリアルさという点で有能だと言える。

最後にこの映画を観る前にその人に一言、外国では心臓発作で死亡した女性もいるとのこと、くれぐれも覚悟の上この血まみれのイエス・キリスト受難の映画を観ることを勧める。

まるで悪魔の只中に放り込まれた神の子羊が、徹底的に毒を持った爪と父なる神への復讐心で痛めつけられる、そんなような犠牲の映画である。

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