【スターウォーズEP1感想】ファントム・メナスとアナキンの運命が動き出す日

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【スターウォーズEP1感想】ファントム・メナスとアナキンの運命が動き出す日

ジョージ・ルーカスが創造したスペース・オペラ『スター・ウォーズ』の魅力を、エピソード順に辿っていくレビューシリーズ。今回はその第1回。1999年に公開された新三部作の幕開け――『エピソード1 ファントム・メナス』を取り上げる。

概要:かつて銀河を守っていたのは、ジェダイだった

“遠い昔、はるか彼方の銀河系で”。
そこには「銀河共和国」と呼ばれる民主主義国家が存在し、その秩序を守るのはジェダイと呼ばれる戦士たちだった。彼らは「フォース」という目に見えぬ力を操り、ライトセーバーと呼ばれる光の剣を武器に戦う。

だが、フォースには「光」と「闇」がある。闇の力――ダークサイドを操るのが、かつて滅んだはずの“シス”たち。ジェダイの慢心は、ダークサイドの気配に気づくことすら困難にしていた。

『スター・ウォーズ』はこのジェダイとシス、共和国と帝国、光と闇の壮大な対決を描く全9部作のサーガである。本作『エピソード1』はその“始まりの物語”だ。

あらすじ:少年アナキンとの出会い

物語は、銀河の辺境・ナブー星が通商連合によって封鎖されるところから始まる。共和国の使者として派遣されたのは、ジェダイ・マスターのクワイ=ガン・ジンとその弟子オビ=ワン・ケノービ。

しかし交渉は罠だった。毒ガス攻撃、ドロイド兵との交戦。かろうじて脱出した二人は、ナブー星で出会ったお調子者ジャージャー・ビンクスの助けを借りて女王アミダラを救出し、星を脱出する。

だがその途中、宇宙船の故障により、辺境の砂漠の惑星・タトゥイーンへ不時着することに。修理部品を探す中で出会ったのが、奴隷として働く少年アナキン・スカイウォーカーだった。

アナキンには規格外の“フォースの素質”があった。彼の勝利に賭けたポッドレースを通じて、ジェダイたちは部品を手に入れ、アナキンを自由にする。彼は母親を残し、共和国の首都コルサントへ向かう――「ジェダイになる」ために。

後半:シスの影、そして師の死

首都コルサントでは、アミダラ女王が通商連合の侵略を訴えるも、政治は空転。アナキンもまたジェダイ評議会に弟子入りを拒否される。マスター・ヨーダは、彼の中に“恐れ”を見ていた。

それでもクワイ=ガンはアナキンを信じ、自らの弟子にする決意を固める。彼らは再びナブー星へと戻り、女王と共に戦いの火蓋を切る。

ジャージャー率いるグンガン軍とドロイド兵の地上戦。女王と兵士たちによる城の奪還作戦。そしてアナキンの操る宇宙船が敵母艦を破壊する奇跡――。

だが最大の敵、シスの剣士ダース・モールとの決戦で、クワイ=ガンは命を落とす。最期にオビ=ワンへ託したのは、「アナキンを弟子にせよ」という願いだった。

ナブーは平和を取り戻す。しかし、すべてはまだ序章にすぎない。なぜシスは復活したのか? ダース・モールの背後にいる存在とは? アナキンはなぜ後に“ダース・ベイダー”になるのか――。

総評:スターウォーズが新しくなった日

『ファントム・メナス』は、シリーズ生みの親ジョージ・ルーカスが自ら監督を務めた作品。旧三部作ではエピソード4だけがルーカス監督作であり、それ以外は他監督によるものだった。

だからこそ、このエピソード1〜3は、ある意味で“真のルーカス版スター・ウォーズ”と言える。
CGを駆使したヨーダ、曲線的で美しい宇宙船デザイン、政治ドラマと神話的スケール――旧作とは異なる美学が全編に溢れている。

そしてラストの決戦シーンには、黒澤明『乱』を思わせる映像的インスピレーションすら感じさせる。
ジェダイとシスの戦い。師の死。そして選ばれし子ども――アナキン・スカイウォーカーの物語は、ここから静かに、そして確実に動き始める。

▶️次回エピソード

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