【エドガー・アラン・ポー短編傑作選】ランキング形式で読む名作レビュー

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【エドガー・アラン・ポー】短編傑作選|個人的ランキングと部門別紹介

はじめに

エドガー・アラン・ポー──その名に筆者が初めて触れたのは二十歳の頃である。以来、幾度も再読を重ね、当ブログでも数多くの記事を記してきた。今回はその敬意を込めて、ポー短編小説のなかから個人的に印象深いものをランキング形式で紹介したい。

ここに優劣の意味はなく、あくまで“好き”の度合い、あるいは“面白かった”という主観に基づく選出である。使用テキストは創元推理文庫『ポー小説全集』。なお原文で読んだことは……正直に申せば、ない。


🔹総合ランキング

ジャンルを問わず、総合的に心を打たれた作品を選出。

1位:『陥穴と振子』
2位:『告げ口心臓』
3位:『赤死病の仮面』
4位:『モルグ街の殺人』
5位:『ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語』
6位:『黄金虫』
7位:『盗まれた手紙』
8位:『アッシャー家の崩壊』
9位:『メエルシュトレエムに呑まれて』
10位:『ウィリアム・ウィルソン』


🔹ユーモア部門

ポーは狂気の詩人であると同時に、酔狂なユーモリストでもあった。笑える作品たちを、笑えた順に紹介。

1位:『不条理の天使』
2位:『ペスト王』
3位:『天邪鬼』
4位:『ミイラとの論争』
5位:『悪魔に首を賭けるな』
6位:『息の喪失』
7位:『メルツェルの将棋差し』
8位:『Xだらけの社説』

天才は絶望の中にも笑いを見出す。これらの作品にはその力が宿っている。


🔹哲学・神秘部門

詩と論理、科学と霊性。その境界を軽やかに越えていくポーの思索の翼。

1位:『催眠術の啓示』
2位:『ヴァルドマアル氏の病状の真相』

宇宙論的な広がりすら感じさせる、思考の実験場である。


🔹隠れた傑作部門(小品集)

あまり知られていないが強く印象に残った“拾い物”たち。

1位:『アモンティリャアドの酒樽』
2位:『ちんば蛙』
3位:『お前が犯人だ』

短いが鋭く、風刺の効いたものが多い。


まとめに代えて

ここで挙げた作品以外にも、『黒猫』『リジイア』『瓶の中の手記』といった定番の傑作がある。だが、選外だからといって劣るわけではない。

ポーの短編小説は、どれを取っても詩的で、論理的で、残酷で、そして美しい。全集を読む際は、一行一行に魂を込めて読んでほしい。そして、もし可能ならば原文にも挑戦してみてほしい──(私自身は未だだが)。

📚 関連リンク:【エドガー・アラン・ポー短編集】推理・恐怖・終末──名作レビューまとめ

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