哲学

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【第二エノク書】感想・レビュー あるいは古代人の感覚について

黙示「第一」のレビューでエノク書がやや退屈でつまらないと書いた。続けて「第二」を読み進めながら、あまりのくだらなさに挫折しそうになった時、某サイトでエウアゲリオスの『覚知者』(Gnousticus)という著作を読み、非常な衝撃を受けた。する...
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【ATALANTA FUGIENS】「逃げるアタランテ」EMBLEMA VIII.〜1個の卵を取りそして火の剣で打て

"Accipe ovum et igneo percute gladio."概要このエピグラフは「逃げるアタランテ」でも最もポピュラーではないだろうか。澁澤龍彦の紹介で掲載されたこともある、この絵はどのようなものかというと;画面左側に暖炉の...
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【第一エノク書】旧約聖書外典レビュー・感想〜「エノク書」って大体どんな本?

概説講談社文芸文庫旧約聖書外典(下)に収録されているらしい『エノク書』;この本にはいくつか種類があるようでややこしい。また文芸文庫は高価であり教文館のもまた然り。こういう時はどうするか。基本的に聖書関係の本は、解説は抜きにして中学程度の英語...
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【ATALANTA FUGIENS】「逃げるアタランテ」EMBLEMA VII.〜若い鷹は巣から飛ぼうとし、再び巣中に落ちる

"Fit pullus a nido volans, qui iterum cadit in nidum."巣この絵は高い山の頂きに作られた巣の中に2匹の鷹の子が書かれている。1匹は翼が育ち巣から飛び立とうとするのだが、もう1匹がまだ発達が...
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【ATALANTA FUGIENS】「逃げるアタランテ」EMBLEMA VI.〜あなたの金を葉の繁る白い大地に撒け

"Seminate aurum vestrum in terram albam foliatam."絵この絵はこういうイメージである;農夫が籠を片手に畑を歩きながら、作物の種子の代わりに金貨と思しき小さな丸い円盤を撒いている。背景は田園風で...
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【ATALANTA FUGIENS】「逃げるアタランテ」EMBLEMA V.〜蝦蟇を女の胸に置け。女が死ぬまで授乳し蝦蟇が大きくなるように。

"Appone mulieri super mammas bufonem, ut ablactet eum,et moriatur mulier, sitque bufo grossus de lacte."授乳普通人間の女のおっぱいは赤ん...
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【ATALANTA FUGIENS】「逃げるアタランテ」EMBLEMA IV.〜兄と妹を結合させ彼らに愛の杯を呑ませよ

"Conjunge fratrem cum sorore et propina illis poculum amoris."近親相姦兄と妹の交尾は近親相姦と言ってキリスト教上の罪である(日本にこれを禁ずる法律は特にない)。しかしマルキ・ド・...

【ユディット記】旧約聖書外典より〜勇気ある美女の果敢な暗殺行為

極東は東南アジアなんかを指すが中東といえば人類が地球上に発生してから、最も重大な文明や信仰が培われた地域でもある。しかし過去の偉大な栄光は衰え、現代ではそれらの国々を人々が思い浮かべるや「恐い」「行きたくない」「気味が悪い」印象しかない。そ...

【トビト書】旧約外典(アポクリファ)より〜悪霊アズモダイオスを祓う天使ラファエル

旧約聖書には正典の他外典(アポクリファ)と呼ばれる諸書の文書があるのをご存知だろうか;「正統」や「異端」、「正典」と「外典」(あるいは偽典)とは人間の法律や慣習が決めた線引きに過ぎず、物事の真相を深く究めるにはそういったレッテルに拘ることな...
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魔術・本【ソロモンの鍵】洋書レビュー(1)〜”スピリット”は実在する

なかなか日本では出ていない『ソロモンの鍵』を簡単な”英語で書かれた安い洋書”で読んで、紹介したり感想を述べるシリーズのひとつ。使ったのはこれ;アマゾンリンク⬇️ 出版社は"mocking bird"となっているが、届いた瞬間ハズレを引いたか...