哲学

天文学

「天頂」についての論考〜観測地点の天球内で最も高い位置にある点

第一原因「知識とは何か」かつてソクラテスはそう問うて、結局誰も知識とは何かを分かってないという論破をした。のみならず自分自身「私は何も知らない」と認めた。こんなことから書き始めたのは筆者自身も、何がいったい知識なのか、ソクラテスのように迷宮...
天文学

古代アレクサンドリアの悲劇の女学者 ”ヒュパティア” を回想する

映画「アレクサンドリア」レイチェル・ワイズ主演の2009年の映画「アレクサンドリア」は以前動画視聴サービスで観て、あまり面白くなかったのを記憶している。その時は彼女演じる”ヒュパティア”なる女性のことを知らなかった、というのが大きい。なんか...
哲学

【プラトン】「ゴルギアス」弁論術について〜罵倒される哲学者

この対話篇は少し長いけれども読みやすい;しかし倫理的・道徳的内容のために、現代の若い読者にはやや退屈な思いをさせるかもしれない。だが読み終えれば有益なこと請け合いの名著でもあり、休憩しながらでもいいので一度読了してみるとよい。時と場所紀元前...
哲学

【アリストテレス】地震と天界の関係とは?『気象論』に見る古代哲学と予知思想

地震はなぜ起こるのか?|アリストテレス『気象論』と古代の予知思想を読む“古代ギリシア最高の知性”とも称されるアリストテレス。その著作『気象論』では、雷や風、雨だけでなく「地震」までもが扱われています。本記事では、この古代の哲学者が地震をどう...
哲学

プラトン『国家』レビュー|死後の世界と輪廻転生──エルの物語(前編)

プラトン『国家』レビュー|死後の世界と魂の輪廻──圧巻「エルの物語」(1)※本記事は、岩波書店版『プラトン全集』(藤沢令夫訳・解説)を主たる参照資料としています。ピュタゴラスとオルフェウスの影『国家』第10巻の最終部に現れる「エルの物語」は...
哲学

プラトン『国家』レビュー|魂の選択と運命の糸──エルの物語(後編)

プラトン『国家』レビュー|魂の選択と運命の完成──エルの物語(後編)※本記事は岩波書店版『プラトン全集』(藤沢令夫訳・解説)に大きく依拠しています。◯前編はこちら→【プラトン】対話編「国家」死後の世界について〜圧巻 ”エルの物語”(1)運命...
哲学

【秘密】について「秘密」とは何か〜ヘルメス・トリスメギストスの誓い

”3倍偉大な”の意味のトリスメギストス。太陽の光に隠され決して姿を見せない水星にも喩えられる、錬金術の神ヘルメスの教えについて。「秘密」「秘密」は沈黙に相通じる。むしろそれは、語ることができないからこそ秘密と呼ばれるのである。話したいけど我...
哲学

【アリストテレス】動物論三篇レビュー|生命の運動・進行・発生をめぐる古代哲学

【アリストテレス】動物論三篇レビュー|「運動」「進行」「発生」から見る生命の根源アリストテレス全集の中から、『動物運動論』『動物進行論』『動物発生論』の三篇をまとめて紹介します。いずれも『動物誌』に続く動物哲学の重要書ですが、今回は「動物部...
哲学

アリストテレス『動物誌』レビュー|感覚・運動・存在をめぐる古代生物哲学

アリストテレス『動物誌』の魅力|驚異に満ちた地球の生き物たちを哲学するアリストテレス――古代ギリシャを代表する哲学者にして、あらゆる学問の祖とも呼ばれる人物。その膨大な著作群の中でも、少しユニークな立ち位置にあるのが『動物誌』です。この作品...
哲学

アウグスティヌス【神の国】第二巻〜空中を浮遊するダイモーンらについて

聖アウグスティヌスは4−5世紀北アフリカ生まれの教父、聖人。単なるキリスト教の説教師ではなく、ローマで改心するまでには様々な異端の学問に通じた講師であった。母の死の時期に北アフリカに戻り、ついに信仰の生活に入った。「神の国」第二巻(岩波文庫...