評論

哲学

【バフォメットとは何か?】悪魔と山羊の象徴・角の意味を読み解く

【悪魔と山羊】バフォメットの角はなぜ象徴なのか?中世ヨーロッパの魔女裁判、あるいは近代オカルティズム、あるいはブラックメタルのCDジャケット──そこに必ずといっていいほど現れるのが、山羊の頭をもった謎めいた存在、「バフォメット」である。この...
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【ファインマン物理学】岩波書店レビュー〜物理音痴の人でもきっと楽しめる教科書

全5巻を読むまでの道物理学者リチャード・ファインマンの名前を、私が初めて知ったのはアランナ・ミッチェルの『地磁気の逆転』(邦訳)を読んだときだった。高校の数学すらまともに習得していない私にとって、物理学の世界は本来縁遠いもの。しかしファイン...

中原中也の詩が心に残る理由|無常と記憶を詠む詩人の魅力

【詩人・中原中也】心の友だった詩、今もなお胸に残る理由中原中也──学校でも習う詩人だが、その名前の響きからしてどこか印象に残る。中が二つもあるし、どこか風変わりで親しみやすい。悩みの多い思春期から青春時代、私はずっと彼の詩を「心の友」として...
哲学

小学校の校庭に現れた二人の宣教師――“永遠の生命”をはじめて聞いた日

ある日、校庭に現れた二人組「永遠の生命」――その言葉を私がはじめて耳にしたのは、小学校の1年生か2年生の頃だったと思う。昭和のあの時代、町にふいに現れる外国人の二人組。今も昔も変わらないのだろうが、白人の若い男性たちは、どこか現実離れした魅...
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和田克徳『切腹』『切腹哲学』レビュー|武士道の極北を描く禁断の書

謎の著者・和田克徳「和田克徳」という名前は、ネットで2.26事件や三島由紀夫の割腹自殺などを調べていると、ときおり目にする人物だ。しかし詳細な情報は驚くほど少ない。そんな中、筆者は運よく和田の著書『切腹』をオークションで入手した。昭和18年...
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三島由紀夫と刀の物語——舩坂弘『関ノ孫六』を読む

戦場の英雄が語る、三島由紀夫と「関ノ孫六」今回は図書館で特別に取り寄せてもらった絶版本『関ノ孫六』のレビューです。都市部では常に予約中の人気作で、古書でも高値。三島由紀夫関連の書籍を立て続けに借りているため、さすがに地元の図書館スタッフにも...
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三島由紀夫の死と『葉隠』——「武士道といふは死ぬことと見つけたり」の真意

三島由紀夫が「座右の書」と語った『葉隠』。その思想は、現代人にとってどこか遠く、過激で、そして不思議と魅力的です。本記事では、三島由紀夫の著作『葉隠入門』を通して、この「禁断の書」の本質を探ってみます。三島由紀夫と『葉隠入門』──「武士道と...
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【仏の血を流す】五逆罪による日本の仏教批判

仏教伝来この記事は筆者が思うところを書くエッセイ風の日本の仏教についてのものである。学術的な確かさはなく、むしろ「仏の血を流し」五逆罪を作りたもうものである。しかし中国の禅語では「仏の血を流す」ことを反対に既存の価値観を破壊する、とも言う。...
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 【精講 漢文】前野直彬先生 著|ちくま学芸文庫の伝説的参考書を讃えるレビュー

【精講 漢文】前野直彬先生 著|ちくま学芸文庫の伝説的参考書を讃えるレビュー帯からわかる、この本の格の違いちくま学芸文庫といえば、小さな文庫サイズに本格的な学術書が詰まったシリーズです。本書『精講 漢文』の帯にはこうあります。「中国の歴史や...
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【菅原道真】王丸勇・著〜紹介〜天神を知るために私の入門書となった本

刊行こちらは私が10歳の頃1980年(昭和55年)金剛出版から、福岡の精神医学者の本、その名はズバリ『菅原道真』である。福岡出身者には夢野久作もおり、wikiによれば二人は『ドグラ・マグラ』の創作過程でちょっとした繋がりがあるという。こんな...