今年の目玉第1発目といってもいい作品、スティーブン・スピルバーグ監督本領発揮の最新映画「レディ・プレイヤー1」を公開初日鑑賞してきたので感想を述べたい。
あらすじ
現代にすでに普及しつつあるVRやインターネットの仮想現実世界を高度にしたような未来のゲーム、「オアシス」を巡って登場人物入り乱れる闘い・冒険が繰り広げられる。
ゲームの開発者は死ぬ前にイースター・エッグという名の宝をオアシスの何処かに隠した。それを見つけるには各ゲームの3つの試練をクリアし3つの鍵をまずゲットしなければならない。
ゲーム「オアシス」はスラムに住む貧しい若者、ウェイド・ワッツにとって唯一の居場所・現実以上の現実だった。
彼はパーシバルという名前でデロレアンを走らせるプレイヤーだった。彼はレースでアルテミスという名の女の子プレイヤーと出会った。
やがてイースター・エッグを巡り現実社会にまで及ぶ陰謀が張り巡らされていることに気付く。彼は他の仲間たちとも力を合わせて謎解きとバトルを開始する。
ストーリー的には予告動画なんかでも観れるようにどこにでもありそうな、今までもあったような話ではある。しかしスピルバーグ監督の魔法の手にかかって、他者の追随を許さないくらいにメチャクチャ面白い出来となっている。
80年代カルチャー
全編にわたって80年代ポップ・カルチャーの魅力がふんだんに溢れている。登場するキャラクターやマシンはバック・トゥ・ザ・フューチャーのデロレアン、マッド・マックスのインターセプター、キングコングなど予告でも観て知っているもの。
BGMもアラフォー・アラフィフの方には胸熱の曲がかかりまくる。冒頭からヴァン・ヘレンの「ジャンプ」が流れ、ティアーズ・フォー・フィアーズ、ジョージ・マイケル、ブロンディ、ビージーズなどなど。数え上げればキリがない。
それら大人気のヒーローたちが映画館のスクリーンに収まりきらないほどの数と勢いで登場する!!
ゲーム開発者
このゲームを発明したのはジェームズ・ハリデーでスティーブ・ジョブズを思わせる人間味のある天才。イースター・エッグを手に入れた者には「オアシス」の運営権利が与えられる。
ハリデーのゲーム開発歴史資料館みたいな施設でウェイドはエッグのヒントを見つける。彼の過去の物語にこそそれが秘められていたのだ。
見事に開発者の深意を理解した若者はエッグを手にし、仲間や恋人と一緒に運営権を手にするというハッピー・エンドとなるわけだが、この流れが海賊の宝探しみたいでスピルバーグの過去の作品「グーニーズ」「インディ・ジョーンズ」などのワクワク感が半端ない。
シャイニング
特に2番目の鍵のヒントを見つける試練はすごかった。それはハリデーと死んだ恋人が一緒に観た映画「シャイニング」に隠されていた。
ゲームの中のゲーム「シャイニング」にヒーローたちは入る。「シャイニング」はジャック・ニコルソンが狂気の夫を演じたスタンリー・キューブリック監督、スティーブン・キング原作の70年代ホラー映画。
観た方は知っているだろう映画の名シーンの中でヒーローたちが動き回る様は、眼がスクリーンに釘付けになるだろう。
ラストバトル
圧巻のラストバトルは第3の試練に繰り広げられる。パーシバルは第1の試練でレースを初クリアしてオアシスのヒーローになっていた。彼の呼びかけで集結したプレイヤーの大軍がゲーム運営会社の連中と戦う。
運営会社の取締役はエッグを手に入れて好きに支配し、課金出来なくなった人々を強制労働に送ることを狙っていたからだ。こいつらはレベル99アイテムの魔法の球で、試練の会場にバリヤーを張った。
仲間らの協力でバリヤーはなんとか破られ、パーシバルは試練をクリアする最後の一人となる。
ガンダムvs.メカゴジラ
この闘いで仲間のイケメン日本人プレイヤーはしばらく座禅を組んでいたが、敵がメカゴジラを出すとはっと眼を見開き「僕はガンダムで行く!!」と叫んで実写初代ガンダムが天から現れる。
ここは日本人観客としても最も胸熱なシーンとなるだろう。他バトルにはアメリカの洋ゲーのヒーロー、「オーバー・ウォッチ」のトレーサーやスタークラフトのジェームズ・ライナーも星条旗アーマーで出てくる。
ともかく画面にかじりついて観て欲しい作品。上映時間145分なんてあっという間だから。