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【プラトン】「国家」〜生成を規定する数について〜解釈の試み
2018/08/30
「国家」第8巻には”生成を規定する数” なる難解で幾何学的文章が登場する。プラトン全著作中最も不可解とされる、その部分を岩波版・藤沢令夫氏訳でまずは引用する。 書き出し 「およそ生じてきたすべてのもの ...
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【プラトン】対話編「国家」死後の世界について〜圧巻 ”エルの物語”(1)
2018/08/29
*この記事は岩波版藤沢令夫氏訳・解説にほとんどを依っている。 ピュタゴラスとオルペウス 「国家」最終の第10巻終わりに明かされる "エルの物語” は、ピュタゴラス学派およびオルフェウス教の秘儀を織り交 ...
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【プラトン】対話編「国家」死後の世界について〜圧巻 ”エルの物語”(2)
2018/08/29
*この記事は岩波版藤沢令夫氏訳・解説にほとんどを依っている。 ◯1回目はこちら→【プラトン】対話編「国家」死後の世界について〜圧巻 ”エルの物語”(1) 運命の女神たち 必然(アナンケ)の女神の3人の ...
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【プラトン】対話編「国家」におけるイデア論について(2)〜洞窟の比喩
2018/08/26
前回は現実世界と似像の世界との比例関係について書いた。その比とはつまり、水に映った月と空の月、写真や絵画と現物のモデル、エロビデオと本物のセックスとの間にある関係のこと。 同じく現実世界とイデア領域の ...
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【プラトン】対話編「国家」におけるイデア論について(1)〜線分の比喩
2018/08/23
作品概要 古代ギリシャ哲学者・プラトンの対話編「国家」は、その著作の中でも長編の部類に属する。「正義について」という副題にも関わらず1巻から5巻までの前半部は、変哲のないユートピア的国家論ともいうべき ...
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【秘密】について「秘密」とは何か〜ヘルメス・トリスメギストスの誓い
2018/08/21
”3倍偉大な”の意味のトリスメギストス。太陽の光に隠され決して姿を見せない水星にも喩えられる、錬金術の神ヘルメスの教えについて。 「秘密」 「秘密」は沈黙に相通じる。むしろそれは、語ることができないか ...
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【アリストテレス】全集より〜「動物運動論」「動物進行論」「動物発生論」紹介・レビュー
2018/08/09
アリストテレス「動物誌」に続いて、全集収録の「動物運動論」「動物進行論」「動物発生論」について一緒くたにレビューする。他に「動物部分論」なる本もあるがそれはまた別の機会に。 ◯「動物誌」はこちら→アリ ...
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アリストテレス【動物誌】の魅力〜驚異に満ちた地球の生き物たち
2018/08/05
古代ギリシャ哲学者アリストテレス(前4世紀)の本はその師プラトンのそれよりも、マニアックな内容を含む。プラトンが最後の奇書「ティマイオス」で、詩と哲学が融合したかのような深遠な文体で宇宙を論じたのに対 ...
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アウグスティヌス【神の国】第二巻〜空中を浮遊するダイモーンらについて
2018/07/26
聖アウグスティヌスは4−5世紀北アフリカ生まれの教父、聖人。単なるキリスト教の説教師ではなく、ローマで改心するまでには様々な異端の学問に通じた講師であった。母の死の時期に北アフリカに戻り、ついに信仰の ...
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【アリストテレス】哲学:ばっさり解説〜天動説と宇宙論
2018/07/18
アリストテレス(前4世紀)は古代ギリシャの哲人、プラトンの弟子。 ◯プラトンはこちら→哲学者【プラトン】対話編〜レビュー・解説まとめ 全集について 全集を「自然学」から順番に読んでいくと、次々に内容が ...