哲学

哲学

【ルネ・デカルト】「気象学」紹介と感想〜デカルト著作集1(白水社)

デカルトの『方法序説』に付いている3つの論文のうちの一つ「気象学」の紹介と感想。●参考→【ルネ・デカルト】「屈折光学」紹介および感想〜デカルト著作集1(白水社)特徴「気象学」についてはあまり込み入って紹介するつもりはないがまずは特徴から;1...
天文学

【エジプトの死者の書】E.A.Wallis Budge”アニのパピルス”〜太陽神ラー讃歌に寄せて

「エジプトの死者の書」この名で呼ばれる専門書を出版しているのはE.A.ウォリス・バッジで、中でも保存状態が素晴らしい”アニのパピルス”のテキストは有名。氏はエジプトの神聖な象形文字”ヒエログリフ”を翻訳し、本には大部な解説と研究成果、ヒエロ...
哲学

【サンユッタ・ニカーヤⅡ】「ブッダ 悪魔との対話」中村元訳・岩波文庫〜紹介と感想

内容岩波書店から出ている「ブッダ 悪魔との対話」は同じく岩波の「ブッダ 神々との対話」の続編。後者については前にレビューしたが、為になる尊師の教えが簡潔にまとめられている点が貴重な本。これに対して前者はどのような内容かというと;実は題名の先...
哲学

【ルネ・デカルト】「屈折光学」紹介および感想〜デカルト著作集1(白水社)

「方法序説」デカルトの有名な「方法序説」は当初それに続く論文の序文として発表されたことは皆さんご存知の通り。すなわち「屈折光学」「気象学」「幾何学」の3つが付いていた。「方法序説」はその後単体で広く読まれるようになった。原題は"DISCOU...
哲学

ソクラテスの「無知の知」と心の浄化|プラトン対話編から哲学的情欲論へ

【ソクラテスの弁明】無知の知と理性のかたち〜プラトン対話編より今回は少し肩の力を抜いた哲学エッセイです。静かに「理性」と「情欲」、そして「心」について考えてみたいと思います。 ;-)理性はどこまで導けるかヘルメス・トリスメギストスはこう語っ...
哲学

【ブッダ・神々との対話(サンユッタ・ニカーヤⅠ)】中村元訳〜内容紹介と感想(2)

岩波文庫の中村元訳シリーズのレビュー:これらはどこの図書館の一般棚にも置いてある身近な本だけれども、ひとたび読み方を誤ると諸刃の剣と化す。つまり真理、救済へ導く代わりに破滅へ誘うのである。破滅とはすなわち自殺である。思春期からサラリーマン時...
哲学

【チベットの死者の書】川崎信定訳・第1巻第2章「チョエニ・バルドゥ」第1日目

『チベットの死者の書』抜きにしてチベット仏教は語れない;川崎信定先生の詳細な註解と解説のついたちくま学芸文庫の原典訳を参照しながら、第1巻の第二章の「チョエニ・バルドゥ」の第一日目の内容について考えたい。曼荼羅この本には3種類の”バルドゥ”...
天文学

【TETRABIBLOS】「テトラビブロス」プトレマイオスの哲学的占星術書〜紹介と感想

『アルマゲスト』『地理学』などの大著で知られるアレクサンドリアの天文学者、クラウディオス・プトレマイオスの古代占星術書『テトラビブロス』の紹介と感想。●関連→プトレマイオス【アルマゲスト】日本語訳・恒星社厚生閣〜レビュー【プトレマイオス地理...
哲学

【buddhism】「仏教」の生んだ誤解と原初の主要な教義についての論考〜『サンユッタ・ニカーヤ』より(1)

*本記事は中村元氏の訳本・岩波文庫『ブッダ・神々との対話』(サンユッタ・ニカーヤⅠ)に依っている。誤解日本の片田舎に生まれた筆者の例もそうであるが、仏教はまずもって最初に心に触れてくる教えである。どのようなものかというと、人が死ぬとお寺の坊...
哲学

【トマスによる福音書】荒井献・講談社学術文庫〜レビュー

「トマスによる福音書」はキリストの弟子トマスによって記されたとされるイエスの言行録である。正典には含まれず外典扱いで異端とされるという。著者である荒井献氏は朝日出版社「ヘルメス文書」の訳者・編纂者として名を知っていたので、講談社学術文庫の方...