哲学

【ルネ・デカルト】「気象学」紹介と感想〜デカルト著作集1(白水社)

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デカルトの『方法序説』に付いている3つの論文のうちの一つ「気象学」の紹介と感想。

●参考→【ルネ・デカルト】「屈折光学」紹介および感想〜デカルト著作集1(白水社)

特徴

「気象学」についてはあまり込み入って紹介するつもりはないがまずは特徴から;

1. 「屈折光学」と同様に学者でなくとも誰でも考えながら読めば理解できるように書かれている。

2.   アリストテレスの「気象論」のように月下界全般に渡って現象を論じているのではなく、主に空気の流動・光学の理論中心で占められている。従って「屈折光学」を読んでからでないと面白さが半減する。

3.   現代科学と違い「哲学原理」でそうだったような3次元の物質の運動として気象が考えられており、厳密性に欠けるところがある;しかし例えば雪の結晶が正6角形であることの観察や、虹の光の屈折・反射の計算が綿密に成されており侮れないところがある。

●参考→"地震” の起こる原因と予知【アリストテレス】「気象論」紹介

雪の結晶

雪の結晶が正6角形であることをデカルトは自分の眼で観察し、ガリレオが「星界の報告」で行ったようなスケッチが挿絵で登場し、様々な形の結晶について述べている;まじかよこれ、と思いがちだが、ネットで調べて見ると本当に雪は一つ一つが幾何学的な模様をしているのであった!

知ってはいたが忘れられていた事実を再認識させられ密かな感動を覚えてしまった。以下参考画像;

デカルトはなぜこのような形が出来上がるのか、空気や雲の動きについて交えながら説明を試みる。

空気について

「気象学」も「屈折光学」と同じく魅力的でわかりやすい当時の版画によって飾られている;特に大気中の空気の流れおよび雲の動きの絵なんかは学校の教科書を思い起こさせたが、デカルト独特の”方法”によって探求されているため、知性に何らかの光を与えることは間違いない。

さて私たちは水を流体として認識しやすいのに対し、空気に関しては空虚とか無といった印象を持っている;なぜならそれは透明で触覚にも水ほどはっきりと感じられないから。しかし空気もまた地球を包んでいる元素であり、大気中を充している実体なのである。

光合成

*以下は「気象学」に書いてない内容;

空気には色々な元素が含まれる;私たちが生命を維持するのに必須の”酸素”は、緑色の植物の葉っぱの葉緑体にある葉緑素が”光合成”してくれるからこそ、二酸化炭素から浄められるのだ。名もない雑草にさえ生き物たちはお世話になっており、かれらがいなければ生物は死滅するのである。

植物は草食動物の食物であるとしか認識されないのは良くない。しかも”光合成”によって地球の大気のオゾン層が形成され、またまた地上の生き物が多すぎる紫外線で死ぬのを防いでいることは、地球温暖化問題で周知の通り。

このように緑色の植物はアリストテレスによって感覚がないだとか、魂がないだとか言われながらも宇宙の一部として重大な役割を持っていたのだ!すなわち太陽から光を受け、大地から養分を吸収しながら”光合成”を行い、自らの体を作りながらこの地球と生き物をも守っている。

感想

世間ではよく”お世話になります”と人々が頭を下げあう挨拶が見られる;なのになぜ植物には”お世話になっている”と思わないのか?空気を呼吸しなければ我々は一瞬の後に死ぬというのに。さて空気はこのような実体であるとしよう。

次に同じ風呂桶とか、プールとか川に人と一緒に浸かっているときはそれを気にかけるのに、同じ空気を生き物は一緒に吸っており、その中に浸かって動いている(というか泳いでいる)ことに関してはほぼ何も感じないとはどうしたことか。

若い女の子とおっさんが同じ水に浸かっていたらそれを意識するのに対し、空気だとよほど近くないかぎりそうでもない。そろそろページが限られてきたので、以上のようなことが「気象学」を読んで感じたことだった。

●関連→【ルネ・デカルト】の本〜感想・レビューまとめ

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