第7歌〜ホサナ
水星に住む魂たちはホサナの讃歌を歌いながら万軍の主を讃え、向きを変えると一斉に飛び立っていった。それは地上に例えればさながら小鳥の群が飛び立つようでもあろうか?
ホサナとはヘブライ語で「救いたまえ」の意味。魂らは二重の輝きに包まれた一人の魂のあとに続いて、閃光のように去った。ついで贖罪とキリストの受肉についてベアトリーチェから説明があった。
第8歌〜金星(ヴィーナス)
ダンテらは宵の明星・明けの明星で知られる金星へ向かう。ベアトリーチェの姿がひときわ艶やかに変わったのだ。
金星はラテン語でウェヌス(Venus)と呼ばれる愛の星。ウェヌスはローマ神話における愛と美の女神、英語名ヴィーナスなどとして知られる。
I'm your Venus, I'm your fire, at your desire.(私はヴィーナス、私は炎、あなたが求めるもの)とはバナナラマ「ヴィーナス」の歌詞である。
軌道は水星の次に太陽に近い。地球から観測すると明け方と夕暮に太陽の近くでセクシーに輝き、月を除けば肉眼で見える星の中で最も明るいとのことである。
金星の住人の一人にハンガリー王だったカルロ・マルテルロがいた。ダンテの旧い知合いで23歳で早死にした。
彼は人間は各々の性分に従った生き方をすれば良く、本分を外れて惨めな境遇に落ちる必要は本来ないという教えを語った。
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第9歌〜「ヨシュア記」
カルロの次にあまり私たちには名前の知られていないクニッツァという女性、フォルケという司教らが話をする。
そして旧約聖書に載っているヨシュアを助けた娼婦ラハブが語る。「ヨシュア記」によると、エリコ市のラハブはヨシュアの送った二人の偵察を家の屋上にかくまい、市の兵隊から守った。エリコ市は現在のパレスチナにある。
ヘブライ人がエジプトから脱出するときに、主なる神が海を分けて民を渡らせ、追ってきたエジプト人を海に沈めたことを聞いていたからである。これは旧約の「出エジプト記(Exodus)」で読める。
主の力を信じていたラハブはヘブライ人を恐れて、市を裏切って自分の一族だけは助けてくれろと頼んだ。ヨシュア軍がエリコ市に攻め寄せてきたとき、窓から赤い紐の印を垂らしていたラハブ一家は殲滅を免れたという。
まとめ
色々と他からネタを引っ張ってきて脚色しないとレビューが読み物にならないくらい「天国篇」の辺りは退屈。正直これが面白いと感じるのはかなり厳しいだろうと思う。
そこを頑張って最後まで続けるのでどうかこのまとめだけでもお読みになり、『神曲』という世界文学史上最大の古典を少しでも味わってもらえたらと願う 😎