アイスキュロス【テーバイ攻めの七将】ギリシャ悲劇〜オイディプス王の呪い

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”オイディプス王”神話に基づく古代ギリシャの都市国家テーバイ攻めを扱った、アイスキュロスのギリシャ悲劇。

オイディプス王神話

はじめに戦のきっかけとなったオイディプス王の呪いついて、説明する必要がある;オイディプス王は父ラーイオスが子供を作るなという神託を無視して、酔った勢いで妻と設けた子であった。父親は子供が生まれると踵を刺して山に捨ててこさせた。

家来は情を催して子供を羊飼いに預け、さらにコリュントス王が子を引き取った。赤子は踵が腫れていたためオイディプスと名付けられた。子はやがて成長し「故郷へ行くな。行けば両親を殺すであろう」というアポロンの神託を受ける。

王を実の親だと思っていたオイディプスは旅に出る。道中諍いが起き、ばったりと生みの父ラーイオスに出くわし殺してしまう。その後テーバイへ向かって逃亡を謀るが、そこには怪物スフィンクスが人々を悩ましていた。

スフィンクスの謎

スフィンクスはエジプトの巨大な像で知られるように、顔が女で体がライオン、鷲の翼を持つ。人々に謎をかけ、解けないものたちを喰っていた。「朝は4本足、昼は2本足、夕暮れには3本足の生き物は何だ」(答えは人間)という謎をオイディプスは解き、スフィンクスは山から身を投げて死んだ。

オイディプスはテーバイの王となり母親をそれと知らずに妻にした。生まれたのがアイスキュロスの悲劇で主役となる2人の男児エテオクレスとポリュネイケス、及び女児アンティゴネー、イスメーネーを設けた。

しかしテーバイに不作が続き原因はラーイオス殺しにあるとの神託が下る。オイディプス王は調査を進めるうちに自分がその発端であること、生みの母親を妻にしたことを悟る。事実を知った王は自ら両目をえぐり出し、さらにテーバイから追放された。

その際自分を助けようとしなかった二人の息子に呪いをかけ、いずれ王権を巡って争い殺しあうだろうと予言した。

あらすじ

「テーバイ攻めの七将」はテーバイの城の中でエテオクレスが防衛の計画をたて、外部からアルゴス軍が迫るまさにその時が舞台。その大将には兄弟のポリュネイケスもいた。

攻め手の7人とはテュデウス、ゼウスの雷を侮って死んだカパネウス、エテオクロス、ヒッポメドン、パルテノパイオス、預言者アムピアラオス、そして兄弟のポリュネイケス。

エテオクレスはテーバイの七つの門に攻め寄せる7人の将に対し、同じく7人の強者たちを名指しで配置する。そして7番目の門には自らが兄弟に対峙することを。

乙女たちの合唱隊が恐怖の歌を読み上げる中、戦はテーバイ城の防衛勝利となる:だが7番目の門で戦った兄弟は相打ちとなり、オイディプス王の呪いは実現する。

まとめ

実にシンプルながら熱い悲劇。短いので30分で読める。やはり7つの門に攻めてくる敵の紹介、そして迎え撃つこちらの猛者の配置のくだりが一番面白い。

狂ったようなテーバイの乙女たちからなる合唱隊が神々に助けを呼びかける。エテオクレスは勇猛果敢な言葉で敵を迎え撃つ用意を固める。

日本の能楽のようなリズミカルな進行、打てば響くようなセリフの応酬は、読んでいて実に気持ちいい。

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