哲学

哲学

【聖体拝受と自然の恵み】パンとワインが築く肉体と永遠の命

口御身らよ、耳を傾けよ──われらは飲み物と食べ物によって造られし者なり。 初めより、われらは口を与えられた。口より飲み物食べ物を受け、腹に納め、後には排す。 胃袋もまた、天地創造の設計により賜りし器なり。われら、口と胃袋を与えられし者は、日...
哲学

「メネ・メネ・テケル・ウパルシン」とは何か|ダニエル書に見る運命と滅びの預言

宴会と不吉な手旧約聖書『ダニエル書』ほど、不思議な雰囲気をたたえた本も珍しい。短いながら、神秘的な物語と言葉に満ちている。なかでも有名なのが、“メネ・メネ・テケル・ウパルシン”のエピソードだ。これは章の題名ではない。内容はこうだ──。あると...
哲学

【ATALANTA FUGIENS】「逃げるアタランテ」EMBLEMA III.〜女が布を洗っているところへ行き模倣せよ

"Vade ad mulierem lavantem pannos, tu fac similiter."洗濯機と哲学「女の洗濯に学べ」──。 これは科学、つまり自然の作用を示すエンブレムである。さて、時は飛んで21世紀。ワンルームマンショ...
哲学

【ATALANTA FUGIENS】「逃げるアタランテ」EMBLEMA Ⅱ.〜地球は彼の母である。

"Nutrix ejus terra est."地球──母なる大地女神のような女性が立つ絵がある。彼女の体は丸く膨らみ、地球そのものとなり、その乳房から赤子が乳を吸っている。地表には海と陸が描かれ、まるでグーグル・アースのようだ。ただし、そ...
哲学

【Mutus Liber(沈黙の書)】錬金術が語る沈黙と宇宙のメッセージ|素朴な読解レビュー

解釈は無数にある『Mutus Liber(沈黙の書)』は、ラテン語で「沈黙の本」という意味。17世紀フランスで出版された錬金術書で、タイトルの通り、基本的に文章はなく、わずかな短いメッセージを伴う15枚のプレートだけで構成されています。プレ...
哲学

【逃げるアタランテ】ミヒャエル・マイヤーの錬金術書レビュー|神話・哲学・音楽が交錯する不思議な書物

ミヒャエル・マイヤーが1617年に出版した錬金術の代表作『逃げるアタランテ』。この本についてはすでに多くのサイトで紹介されているので、ここでは内容の重複は避けます。以前、フーガ曲付きであることについては記事にしました。今回は、一度読んだだけ...

【マンディアルグ『大理石』註解】血と狂気を越えて──透明な世界への旅

フランス語原文と澁澤龍彦訳を参照しながら、アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグの『大理石』を可能な限り註解する。Grand Spectacle(大いなる光景)マンディアルグは、極めて慎み深い師である。彼が小説という形で遺した『大理石』は、...
哲学

『易経』とは何か?占いを超えた陰陽の思想と未来を読む知恵|哲学としての周易入門

『易経』とは何か?──占いを超えた古代の哲学書概要『易経』──その名は知っていても、長らく手の出ない書であった。なぜなら「占い=迷信」というイメージが強く、かつてキリスト教の神に心酔していた筆者にとっては、最も忌避すべき異端の書と思われてい...
哲学

【形而上学】地獄はあるのかどうか、精神および魂の不死〜ルクレーティウスに寄せて

物質と精神のあいだで地元の図書館から借りてきたルクレーティウスの『物の本質について』を読んでいる。著者は、精神や魂は死とともに消滅すると主張する──その一節に出くわしたとき、一度は本を閉じた。しかし、いや待てよと思い直し、読み進めているとこ...
哲学

【バフォメットとは何か?】悪魔と山羊の象徴・角の意味を読み解く

【悪魔と山羊】バフォメットの角はなぜ象徴なのか?中世ヨーロッパの魔女裁判、あるいは近代オカルティズム、あるいはブラックメタルのCDジャケット──そこに必ずといっていいほど現れるのが、山羊の頭をもった謎めいた存在、「バフォメット」である。この...