90年代初頭のオルタナティブ洋楽アルバム特集|Apple Musicで再発見する5選
90年代初頭、日本がバブルの終焉を迎えた頃。筆者自身もパンク・ハードコアバンドを脱退する直前で、既成のパンクに違和感を覚え始めていた時期だった。
パンクとは反骨の象徴でありながら、いつの間にかモヒカンや鋲ジャンがパッケージ化されたファッションに成り下がっていた。そんな折、筆者の心を打ったのは、控えめな装いで鋭いメッセージを発するバンドたち。彼らは音楽雑誌『Rockin’ On』で取り上げられ、“羊の皮を被った狼”として注目されていた。
今回はそんな「変装したアナーキストたち」が残した珠玉のアルバムをApple Musicから紹介する。
1. The Breeders(ザ・ブリーダーズ)
ピクシーズのキム・ディールが率いるガールズ・オルタナバンド。1990年リリースの1stアルバム『Pod』は、だるさと毒気が交錯するローファイな名盤。ひねくれた表現力に満ちていて、いま聴いても瑞々しい。
Apple Musicで試聴する → The Breeders
2. Ned’s Atomic Dustbin(ネッズ・アトミック・ダストビン)
UK発、グルーヴィーかつサイケなオルタナティブ・パンクバンド。代表作『Bite』は切なさと荒々しさを兼ね備えた異色の一枚で、解散済とはいえ今なお新鮮な音を響かせる。
Apple Musicで試聴する → Ned’s Atomic Dustbin
3. Manic Street Preachers(マニック・ストリート・プリーチャーズ)
イギリスの知的ロックバンド。1992年の『Generation Terrorists』は、80sメタルへのオマージュとポエティックな反逆精神を併せ持つ傑作。ヴォーカルのブラッドフィールドによるソロ活動もおすすめ。
Apple Musicで試聴する → Manic Street Preachers
4. The Jesus and Mary Chain(ジーザス&メリー・チェイン)
ノイズ・サーフポップの金字塔。『Psychocandy』では、轟音ギターに乗せて甘くサイケなボーカルが響く。サウンドの振り幅は広く、入門にはシングル集もおすすめ。
Apple Musicで試聴する → Jesus and Mary Chain
5. The Charlatans(ザ・シャーラタンズ)
マッドチェスター・ムーブメントを象徴するバンドの一つ。1990年のデビュー作『Some Friendly』は、軽やかな鍵盤と浮遊感あるヴォーカルが魅力。ストーン・ローゼスに通じる甘さの中に、退廃的な香りも漂う。
Apple Musicで試聴する → The Charlatans
以上、90年代初頭の空気を色濃く残すオルタナ系アルバムを紹介した。人と違った音楽を探しているあなたにこそ、届いてほしい。
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