アバドンと黙示録の蝗はCOVID-19か?深淵と無限をめぐる神秘的考察|ヨハネ黙示録と現代疫病の接点

評論詐欺

【アバドン】底知れぬ穴の天使――黙示録の蝗とはCOVID-19なのか?

無限の入り口で

小学校低学年のある昼休み、「無限」について友達と遊び半分で考えていた。宇宙の外には何があるのか。その外にもまた“外”があるのか。あるいは紙を限りなく細かく切り分けていったら、どこまで小さくできるのか。気が遠くなり、やがて私は考えるのをやめた。

だが、アリストテレスはこの“無限”について一冊まるごと『自然学』で取り組んだ。頭がおかしくなろうとも、真剣に思考の迷宮へ挑む――それこそが知性の冒険であり、哲学の本懐である。

蠍の毒をもつ蝗

ヨハネの黙示録によれば、第五の天使が喇叭を吹くと、底知れぬ穴が開かれ、そこから煙が立ち昇り、羽をもつ蝗(イナゴ)の群が出現する。それらは蠍のような毒をもち、人間だけを五か月にわたって苦しめる。

この毒には致死性はない。ただ、痛みを与える。蠍の毒が本来的に“防御”のためにあるように、蝗もまた殺すためではなく、苦しめるために存在している。緑の植物には一切手をつけない――まるで選別されし対象を狙う生物兵器のように。

底知れぬ穴と黒い無限

この蝗の軍団は奇怪な姿をしている。人間の顔、ライオンの歯、女性の長い髪、鉄の胸当て、竃の煙のような背景から現れる。煙は“底知れぬ穴”から立ち昇る。そしてその穴は、天から落ちてきた星によって開かれる。

“底知れぬ穴”――それは「黒い無限」の象徴だ。白き無限が数学的・霊的な超越を象徴するならば、黒き無限は破壊、混沌、深淵を意味する。道路の下に隠された地球の内臓、溶岩が流れるその腸のように、深き地底が地表を呑み込むとき、我々の文明は車輪を回すことすらできなくなる。

深淵は渇く

ボードレールは『惡の華』で「深淵は常に渇き、水時計には水がない」と詩った。そこには時間も空間も存在せず、あらゆる輪郭が失われる。煙が立ち昇り、言葉が崩れ、痛みだけが残る。そうして、イナゴの軍勢が五か月にわたり、人間という存在を蝕む。

それは、時間切れの予告である。

COVID-19という黙示録的象徴

このイナゴが象徴するのは――COVID-19であると私は思う。

もはや種明かしを隠す理由はない。理由も因果もなく、ただ今年も「去年と同じように」反応している我々の社会。それ自体が、知性の老化、文化の停滞、魂の退化を示してはいないか。

確かに、私たちの身体は血と内臓と骨と分泌物でできている。そこにSRC造の細胞があり、乳飲み子が泣き、母豚が養い、文明が営まれている――だがその実態は誰にも明確には分からない。

「文字は腐っている」。そう言っても過言ではない。どこが“前”で、どこが“食堂”なのか、誰にももうわからない。

 

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