哲学

天文学

コペルニクス『天体の回転について』第1巻を読む|地動説の哲学的出発点

コペルニクス『天体の回転について』岩波文庫版(第1巻)書評岩波文庫版と書誌情報ポーランドの天文学者ニコラウス・コペルニクスの『天体の回転について』は、もともと全6巻から成る大著である。しかし岩波文庫に収録されているのはその第1巻のみである。...
天文学

【テトラビブロス】プトレマイオス占星術書の再読レビューと学術的解説

クラウディオス・プトレマイオス『テトラビブロス』の概説プトレマイオス(2世紀、天文学者・地理学者・占星術師)は、占星術を論じた全4巻からなる『テトラビブロス』(四部書)の著者であるen.wikipedia.orgworldhistory.o...
天文学

エジプトの死者の書とは?アニのパピルスと太陽神ラー讃歌を学術的に解説

【『エジプトの死者の書』】 E.A.ウォリス・バッジ著『アニのパピルス』 〜 太陽神ラー讃歌に寄せて「エジプトの死者の書」E.A.ウォリス・バッジ (E.A. Wallis Budge) によって編纂された書物が『エジプトの死者の書』と呼ば...
天文学

【TETRABIBLOS】プトレマイオスの占星術書を読む〜文語調による紹介と感想

古代占星術書『テトラビブロス』の紹介著者プトレマイオスと背景古代占星術の原典と崇めらるる『テトラビブロス』を邦訳にて拝する日、ついに来たりけるとは感無量なり。著者クラウディオス・プトレマイオスは紀元後二世紀の学者にして、アレクサンドリアにて...

空海『性霊集』とは何か|平安初期の漢詩文集と密教思想の結晶

空海『性霊集』の全体像|平安前期の詩文集に込められた思想と史的意義性霊集(遍照発揮性霊集)の概要『性霊集』(しょうりょうしゅう)、正式には『遍照発揮性霊集』(へんじょうほっきしょうりょうしゅう)は、平安前期の空海(弘法大師)の漢詩文集である...
哲学

道元と『普勧坐禅儀』とは何か?只管打坐の思想と坐禅の実践をわかりやすく解説

はじめに道元(1200–1253)は日本曹洞宗の開祖であり、中国宋から帰国後に坐禅(禅の座法)の普及に努めた禅僧である。彼が1227年に著した『普勧坐禅儀』は文字通り「万人に坐禅を勧める書」であり、坐禅を仏道への正門(正しい入り口)と位置づ...
哲学

【列子とは】老荘思想×説話の名作を読む|明徳出版社『全訳列子』の魅力と道教的背景

『列子』の概説と明徳版の意義『列子』(列御寇、Liezi)は、老子・荘子と並ぶ道家の古典とされる書物であり、道(タオ)を重視した宇宙論・人生論を展開するbritannica.comiep.utm.edu。その成立や著者に関しては異説が多い。...
天文学

プトレマイオス『ハルモニア論』の学術的意義|音楽・宇宙・哲学をつなぐ古代の知性

プトレマイオス『ハルモニア論』の学術的紹介本稿では、京都大学学術出版会の西洋古典叢書『古代音楽論集』に収録されたクラウディオス・プトレマイオス著『ハルモニア論』について、その内容と背景を学術的観点から紹介する。併せて、先行するアリストクセノ...
哲学

新約聖書・福音書を文献として読む|塚本虎二訳・岩波文庫版の学術的意義

【新約聖書・福音書】塚本虎二訳、岩波文庫版〜学術的観点から読むキリスト教文献概要一般に新約聖書は「救済の手段」あるいは「天国への鍵」として読まれるが、本書——塚本虎二訳・岩波文庫版は、宗教的信仰に依拠せず、古典文献として読むための訳本である...
哲学

ピュタゴラス派・プラトン派と聖書に見る「数」の神秘と秩序

【数】について 〜 ピュタゴラス派・プラトン派を気取った古代エジプト人のごとく序論古代において「数」という概念は、単なる計算の道具に留まらず、世界の本質を読み解く鍵として神聖視された。本稿の筆者はカバラ(ユダヤ神秘思想)には関心も知識も持ち...