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【Mandiargues】"LES MINES DE CARMAUX"処女散文集『汚れた歳月』から紹介
2020/01/06
久々のブログ更新、怠けていました。がんばって書きます。 概説 マンディアルグの処女作として名高い散文集『汚れた歳月』は第二次対戦中に発表されたものだが、読んだ感じでは初短編集『黒い美術館』へと移行途中 ...
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【ギリシャ悲劇】エウリピデス「ヒッポリュトス」”パイドラーの恋”〜岩波文庫レビュー・感想
2019/08/04
岩波文庫・松平千秋訳「ヒッポリュトス」のレビュー・感想 😉 あらすじ ギリシャ3大悲劇詩人エウリーピデースのこの作品には”パイドラーの恋”なる副題が付いている。プラトン「法律」(上)の註釈にこの悲劇 ...
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【仕事と日】古代ギリシャ詩人「ヘシオドス」の突っ込みどころ満載な本
2019/05/02
ギリシャ神話の集大成『神統記』でも知られホメロスと同時代人とされる紀元前7世紀頃の詩人ヘシオドス;かれの『仕事と日』は「神統記」と並ぶ人気のある代表作である。 現代人が読んでも非常に面白いだろうこの詩 ...
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【ヨハネの黙示録】講談社学術文庫版・小河陽訳 紹介
2019/03/15
講談社からキリスト教新約聖書の「ヨハネの黙示録」が学術書としてお手軽な文庫で出ている。この本はいわば”世界の終わり”の内容なのであるが、今回の記事の目的はこの使い古されたテーマをいかに重くならずに論じ ...
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旧約聖書【出エジプト記】岩波文庫版・紹介〜作品としてのモーゼ五書
2019/03/13
キリスト教の聖書を”文献”あるいは”作品”として捉え、そのような学術的見地から翻訳され、解説が付された岩波文庫版シリーズについてレビューしていく。今回は「出エジプト記」。 ●「創世記」はこちら→旧約聖 ...
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アラトス【星辰譜】西洋古典叢書「ギリシャ教訓叙事詩集」より紹介
2019/03/11
アラートスまたはアラトスは紀元前3世紀のマケドニアの詩人。年代的にはプラトンやアリストテレスより後期である。彼は現在採用されている48星座の原型となった44の星座を詩『現象』(ファイノメナ)で歌ったこ ...
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【悪の華】ボードレールの悪魔についての論考
2019/01/20
「読者に」「破壊」 まずはこの記事を始める前に以下の詩の引用を; Serré, fourmillant, comme un million d' helminthes, Dans nos cerve ...
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【泉鏡花】「多神教」〜恐るべき神道キャラクター総登場
2018/10/08
昭和2年発表の比較的新しい戯曲「多神教」は、文体は明治の作品と同じく難しいが、解読すれば気違い染みた面白さの怪異な内容である。 登場人物が神社の神主や姫神や烏天狗などであるため、呪いの5寸釘の藁人形な ...
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【泉鏡花】「山吹」〜人形使を鞭打つ家出不倫の若妻
2018/10/06
大正12年6月発表の戯曲「山吹」は三島由紀夫と澁澤龍彦が対談で絶賛しているため、鏡花作品中でもその名はよく知られていると思う。この時代に書かれたとは思えないサド・マゾヒズム的テーマを扱った内容でもあり ...
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【ホメロス】「オデュッセイア」紹介〜幻想・冒険譚の原型がここにあり
2018/09/19
ホメロスは紀元前8世紀頃に存在したと伝聞される、古代ギリシャ詩人。”詩”という言葉は苺みるくキャンディーのような甘ったるい単語となってしまった現代だが、”詩”の持つ本来の魅力、原初にあったであろう意味 ...