2017

ロートレアモン伯爵【マルドロールの歌】をわかりやすく紹介

シュルレアリスム解剖台の上のミシンと蝙蝠傘の偶然の会合のように美しいー「マルドロールの歌」の中の有名な一句であり、シュルレアリスムの代表的な手法である<デペイズマンdépaysement>なるものを一言で表している。デペイズマンは一見何の関...
絵画

【ルネサンス画家】ヒエロニムス・ボッシュ、ピエロ・ディ・コジモ作品比較・共通点など

今回は二人のルネサンス期の画家について書こうと思う。「シモネッタ・ヴェスプッチの肖像」上の絵はピエロ・ディ・コジモ(1462ー1521・イタリア)の「シモネッタ・ヴェスプッチの肖像」である。私がこの絵をはじめて見たのは澁澤龍彦の「幻想の肖像...
文明

【ツタンカーメンの墓】黄金のマスク〜王のミイラを守り続けた20世紀最大の宝物

エジプト文明の魔術今から3300年以上も昔、エジプトの王ファラオのツタンカーメンが18才で亡くなった。エジプト死者の書の研究で有名なE.A.ウォリス・バッジ博士の本では、英語でTut-Ankh-Amenと表記される。名前は三つのエジプト文字...
小説

【エドガー・アラン・ポー】「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」執筆背景・レビュー

ポーの冒険長編小説創元推理文庫ポー小説全集第2巻に収録されている「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」を中心としたポーの記事である。エドガー・アラン・ポーは著名な短編作家・詩人として知られ、その作家としての生活も雑誌の懸賞へ...

ウィリアム・ブレイク「地獄の箴言」より〜狐とライオンの譬え

地獄の箴言とはPROVERBS  OF HELL(地獄の箴言)とはウィリアム・ブレイク(1757−1827、イギリス)の作品「天国と地獄の結婚」の中の4枚のプレートに渡る章で、ソロモンの箴言風の詩が多く記されている。箴言とはいえ謎解きの要素...
小説

エドガー・アラン・ポー【モルグ街の殺人】〜史上初の推理小説・レビューとあらすじ

推理小説が生まれたとき1841年、エドガー・アラン・ポーによる記念すべき世界文学史上初の推理小説「モルグ街の殺人」が発表された。モルグ街で起こった残虐かつ奇妙な殺人事件を、オーギュスト・デュパンと「僕」の二人組みが謎を解いて解決する話である...

ボードレール【悪の華】「七人の老爺」は預言者のビジョンか

突然の出現シャルル・ボードレールの不朽の詩集『悪の華』の「七人の老爺」<LES SEPT VIEILLARDS>という散文詩風の作品は、主人公の私(ボードレール)が大都会のパリを、疲れ切った自分の魂といつものように議論しながら歩いていると、...
日常

【ワールド・オブ・ウォークラフト】英語学習にもなるアメリカのMMORPG

*注意 2018年夏の最新アップグレード"Battle of Azeroth"については、ダイレクトX11またはMetalがないと動作しません。(F◯CK!)英語学習ワールドオブワークラフト(通称WOW)は10年以上の運営経歴のある世界で大...
小説

【マンディアルグ】小説「大理石」に隠されたシュルレアリスティックな秘密

題名アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ(1909−1991)はフランスの作家・詩人。1953年に出版された「大理石」(marbre)を初めて読んだのは、二十歳の時1991年のことだった。人文書院のハードカバーの本で、澁澤龍彦・高橋たか子...
哲学

チベット密教【チベットの死者の書】紹介〜60年代ヒッピー、心理学者ユングにも支持された聖典

バルドゥ(中有)1993年バブルも終焉を迎えた頃、一冊の本が話題となった。「原典訳チベットの死者の書 川崎信定訳」がそれ。内容はチベットで現在も家に備えられ人が死んだ時などに唱えられる経典である。人間が死んで肉体から離れると49日間の旅に出...