天文学

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コペルニクス『天体の回転について』第1巻を読む|地動説の哲学的出発点

コペルニクス『天体の回転について』岩波文庫版(第1巻)書評岩波文庫版と書誌情報ポーランドの天文学者ニコラウス・コペルニクスの『天体の回転について』は、もともと全6巻から成る大著である。しかし岩波文庫に収録されているのはその第1巻のみである。...
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【テトラビブロス】プトレマイオス占星術書の再読レビューと学術的解説

クラウディオス・プトレマイオス『テトラビブロス』の概説プトレマイオス(2世紀、天文学者・地理学者・占星術師)は、占星術を論じた全4巻からなる『テトラビブロス』(四部書)の著者であるen.wikipedia.orgworldhistory.o...
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エジプトの死者の書とは?アニのパピルスと太陽神ラー讃歌を学術的に解説

【『エジプトの死者の書』】 E.A.ウォリス・バッジ著『アニのパピルス』 〜 太陽神ラー讃歌に寄せて「エジプトの死者の書」E.A.ウォリス・バッジ (E.A. Wallis Budge) によって編纂された書物が『エジプトの死者の書』と呼ば...
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【TETRABIBLOS】プトレマイオスの占星術書を読む〜文語調による紹介と感想

古代占星術書『テトラビブロス』の紹介著者プトレマイオスと背景古代占星術の原典と崇めらるる『テトラビブロス』を邦訳にて拝する日、ついに来たりけるとは感無量なり。著者クラウディオス・プトレマイオスは紀元後二世紀の学者にして、アレクサンドリアにて...
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プトレマイオス『ハルモニア論』の学術的意義|音楽・宇宙・哲学をつなぐ古代の知性

プトレマイオス『ハルモニア論』の学術的紹介本稿では、京都大学学術出版会の西洋古典叢書『古代音楽論集』に収録されたクラウディオス・プトレマイオス著『ハルモニア論』について、その内容と背景を学術的観点から紹介する。併せて、先行するアリストクセノ...
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プトレマイオス『アルマゲスト』日本語訳を読む:恒星社厚生閣版の評価と限界、天動説と幾何学宇宙論の魅力

プトレマイオス『アルマゲスト』日本語訳(恒星社厚生閣版)に関する学術的レビュー本稿では、クラウディオス・プトレマイオス著『アルマゲスト』の恒星社厚生閣版日本語全訳について検討する。具体的には、『アルマゲスト』の歴史的意義とその学術的な位置づ...
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プトレマイオス『地理学』とは?古代地図が変えた世界観

クラウディオス・プトレマイオスの『地理学』:古代アレクサンドリアの叡智とルネサンスへの影響今から約1800年前、古代ローマ帝国時代に作られた世界地図帳が、長い間忘れ去られた後、ルネサンス期にヨーロッパで復活し、地理学の世界に革命をもたらしま...
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アラトス『星辰譜』レビュー|星座と神話を詩にした古代ギリシャの星空ガイド

アラトス『星辰譜』レビュー|夜空を詩に綴った古代の星座ガイド紀元前3世紀、マケドニアに生きた詩人アラトス(またはアラートス)。プラトンやアリストテレスより少しあとの時代に、彼は神話と天文学が交差する時代背景のなか、空の星々を詩で描いた。彼の...
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【地磁気の逆転】アランナ・ミッチェル〜”科学の大衆化”を意図するジャーナリズム著作

チバニアン光文社単行本「地磁気の逆転」はソフトカバーで気軽に読める、300ページちょいのめちゃくちゃ面白い本。地磁気に興味を抱いた人が日本語で”地磁気”と検索すると、2018年に出版され翌年翻訳された本書が真っ先に出てくる。このような現代の...
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「天頂」についての論考〜観測地点の天球内で最も高い位置にある点

第一原因「知識とは何か」かつてソクラテスはそう問うて、結局誰も知識とは何かを分かってないという論破をした。のみならず自分自身「私は何も知らない」と認めた。こんなことから書き始めたのは筆者自身も、何がいったい知識なのか、ソクラテスのように迷宮...