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【コロンブス航海誌】岩波文庫レビュー|原住民との遭遇と“発見”の実態を読む

【コロンブス航海誌】インディアンと遭遇した提督の最初の航海記録|岩波文庫レビュー■ 概要:提督コロンブスとは何者か?クリストファー・コロンブス(1451–1506)は「アメリカ大陸発見」の名で歴史に名を刻んだ人物であるが、同時に“奴隷商人”...
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谷崎潤一郎『文章読本』レビュー|職人作家が語る“究極の文章論”とは?

谷崎潤一郎『文章読本』レビュー|小説家による究極の文章マニュアルとは1934年に発表された谷崎潤一郎の『文章読本』は、日本文学の巨匠による“文章の書き方”を論じた名著である。芸術的な文章を目指す人だけでなく、日々のブログ執筆やライティングに...
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谷崎潤一郎『陰翳礼讃』レビュー|日本建築と闇の美を語る美学的エッセイ

谷崎潤一郎『陰翳礼讃』レビュー|闇の中に宿る日本の美学とは※北海道地震により被災された皆様へ、心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧をお祈りいたします。作品概要|光を拒む芸術論としての随筆『陰翳礼讃(いんえいらいさん)』は、谷崎潤一郎が...
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ジョルジュ・バタイユ『エロティシズムに関する逆説』講演と死の魅惑|性と死の本質を問う哲学

ジョルジュ・バタイユ「エロティシズムに関する逆説」「エロティシズムと死の魅惑」内容紹介・レビュー概要角川文庫版『マダム・エドワルダ』には、バタイユの処女作「眼球譚」をはじめ、短編小説「マダム・エドワルダ」「死者」が収録されている。だが、真に...
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ジョルジュ・バタイユ『有罪者』レビュー|無神学大全2の断章と黒い精神の迷宮

ジョルジュ・バタイユ【有罪者】無神学大全2〜感想・レビュー・紹介手記というか、ノートの束というかジョルジュ・バタイユの『有罪者』を読んだ。これはいわば断章形式の手記で、第二次世界大戦の勃発直後から戦中にかけて書き綴られた、ある種の精神の記録...
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ユルスナール『三島あるいは空虚のヴィジョン』レビュー|澁澤龍彦訳で読む世界から見た三島由紀夫

マルグリット・ユルスナール『三島あるいは空虚のヴィジョン』レビュー|澁澤龍彦訳による世界的視座からの三島論はじめに本稿では、フランスの作家マルグリット・ユルスナールが三島由紀夫の生涯と文学を論じたエッセイ『三島あるいは空虚のヴィジョン』(M...
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澁澤龍彦『三島由紀夫おぼえがき』レビュー|死者と生者の距離感と記憶の変容

澁澤龍彦『三島由紀夫おぼえがき』レビュー|死者と生者の距離感をめぐる覚書三島由紀夫の『豊饒の海』をこき下ろしたせいか、左肩がやたらと痛む。だが介錯の失敗で切られたのは右肩のはず──そんな与太話をさておき、本稿では澁澤龍彦による『三島由紀夫お...
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澁澤龍彦『サド侯爵の生涯』レビュー|サディズム文学の異端者マルキ・ド・サドを徹底解剖

澁澤龍彦『サド侯爵の生涯』レビュー|サディズムと涜神の文学者、マルキ・ド・サドを読む紹介本書は1964年に初版が刊行され、補遺を加えて現在の形となった。筆者が手にしたのは中公文庫の第5刷(昭和58年)である。表紙や題名は一見地味だが、その中...
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【私の遍歴時代】三島由紀夫の自伝的回想録|文士として生きる決断

三島由紀夫【私の遍歴時代】青年が“文士”になるまでの赤裸々な回想録三島由紀夫の自伝的エッセイ『私の遍歴時代』は、中公文庫版『太陽と鉄』に併録されている一編。内容は赤裸々な回想録でありながらも、文学的に洗練され、若き三島のリアルな姿と精神の軌...
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三島由紀夫「死の論理」を再検証|葉隠とリア充的美学への異議

三島由紀夫「死の論理」美学への反証七生報國三島由紀夫の作品をまだすべて読み終えたわけではないが、「切腹」「割腹自殺」「自決」という最期の選択に通底する思想については、ある程度見えてきたように思う。本稿では、その「死の論理」に対して、筆者なり...