oops!! グーグル・アナリティクスを何気なく開いたところ、シェイクスピアの”オセロー”のレビューがなぜかバズっていた;最近仕事が忙しくてアクセスが下がりっぱなしだったから、これは救世主。
というわけでここで更新をかましてもっとアクセス数あげたろかという、スケベ根性による「コロンブス航海誌」(岩波文庫版)レビューである。
●参考→シェイクスピア【オセロー】あらすじ・感想〜妻の身体への愛着が地獄の嫉妬を生む
概要
コロンブス(1451ー1506)またはクリストファー・コロンブスはアメリカ大陸の発見者として有名。wikipediaによればイタリア出身の探検家・航海者・奴隷商人ということである。いわばスター・ウォーズの荒くれ者ハン・ソロみたいな感じだろうか。
そもそも未知の海へ船の穂先を向け新大陸を発見するくらいだから、”新たな道を切り拓く”という意味で歴史上に名を残すにふさわしい人物と言える。このように死すべき人間は糞みたいに卑屈な一生を終える者も多いが、ある者は戦いによって、ある者は航海によって、歴史に名を残す。
この本はそれにふさわしい人物だったコロンブスの最初の大胆なアメリカ大陸への航海日誌であり、かつ現存する唯一の海の男の記録なのである。
航海日誌
この本の中でコロンブスは3人称で語られる;つまり記録しているのはコロンブスではなく第三者なのである。コロンブスは”ドン・クリストーバル・コロン”と名乗っており、「提督」と呼ばれている。提督は己の信念(GPSのない時代に未知の海への航海は神への信仰と己の信念のみが羅針盤である)に従い、ひたすら航海と続ける。
その様子はアマゾンの書籍レビューにも書かれているのでここでは繰り返さない;つまり不安を覚える船員たちに実際進んだ距離より少なく見積もって報告していた。だが結局提督はキューバと見られる島々(違ってたらすいません)に到着する。
そこで原住民すなわち”インディアン”達と遭遇するが、この関係は引き続き上陸・発見が繰り返される島々でもずっと続く。つまり、「神の名において」彼らが求めるのは”黄金”なのである。さらに新人類を次々に発見しながら彼らをキリスト教に”教化”させることを考えている。
キリスト教は君主が人民を統治するためのツールである。当時の1日の時間ごとの祈りの時刻を表す用語も頻繁に出てくる。クリストーバル・コロンはインディアン達を歓待し歓待を受けながら、黄金だけを求めていた。マルコ・ポーロが伝えた「黄金の国・ジパング(日本のことである。中尊寺金色堂を見たからこうなってしまったらしい)」も出てくる。
まとめ
1493年に再び残してきた部下らと合流を試みるが彼らは殺されていて、基地も破壊されていた;人間は本性を現すとこうなるのだ。ここからは本書の内容に含まれない;つまり以後提督はインディアン虐殺を繰り広げることになる。
何だこの愚劣な野郎は。と言いたくなるが彼も進んでそのような血みどろの境遇に身を投じたわけではなかったろう。裏切り者の部下が歯向かってきた時も面倒な争いを避け、まずは国王に新大陸と自分が見たことの報告を優先したくらいだから。
最初の航海から戻ったコロンブスを迎えた人々は歴史的事実の立ち会ったのであり、名を残したコロンブスは卵を尻の穴に突っ込んだのだった。