【天体観測記録】ついに「水星」の肉眼観測に成功!|宮城県での早朝体験
更新が途絶えていたこのブログ、アクセス数も下降中だが、やむなし。忙しい時はどうしようもない。
だが今朝、どうしても記録しておきたい出来事があった。人生で初めて「水星」を肉眼で観測することができたのだ。これは書かねばならぬ──そう思い、朝の時間を使って短く記録する。
満ち欠けの金星、そして……
北緯38度、宮城県。今まさに太陽が昇り、大地を照らしはじめている。2時間前、夢の中で獣に襲われて目が覚めた私は、まだ暗い南東の空を見上げた。そこには驚くほど大きく、満ち欠けした「金星」がくっきりと輝いていた。
今月15日、水星が太陽から最も離れる「東方最大離角」を迎え、観測に最適なタイミング。さらに22日には木星と水星が大接近すると天文手帳に書かれていた。15日は曇りで観測不可。22日も見えるかどうかは天気次第だった。
「今日は見えるだろうか?」と期待しつつ、外へ出ることにした。
冬の夜明けと黄道上の星々
東の空にはホメロスが詩に詠んだ「指薔薇色の暁の女神」が訪れていた。空の状態をスマホで確認し、金星の位置はすでに特定済み。黄道ラインを目で追い、視線を下げていくと──
見つけた!金星の下、地平線寄りにふたつ、明るく光る星がある。肉眼での観測が可能な時間帯。空は明るくなり始め、ほとんどの恒星は消えていた。だからこのふたつの星は、おそらく惑星──そのうちのひとつは、間違いなく水星である。
私はしばし呆然とその二つの星を見つめ、感動していた。何年も思い続けていた「水星を肉眼で見る」という目標が、ついに叶った気がした。
正体は……?それでも「見えた」のは事実
棒立ちのまま星が電線を超えて移動していく様子を見守った。星が動いている──つまり恒星ではない。惑星特有のゆっくりとした移動。私は確信した。「あれは水星だ」
だが、スマホで確認してみると、あの明るい星は実は木星だったことが判明。水星は、そのすぐそばにあって、より暗く、より早く朝日の中に消えていったもう一つの星だった。
勘違いだった。でも、水星を目で捉えたことには変わりない。それが嬉しかった。
最後に──ヘルメスよ、ありがとう
古代ギリシャで水星は神々の使者「ヘルメス」と呼ばれていた。ローマ名で言えばマーキュリー。知恵と速度の象徴たるこの神の星を、ついにこの目で見ることができた。
ありがとう、ヘルメス・トリスメギストス。
コメント