仕事で時間が取れずブログの更新が止まってしまっている。更新しないとやはりアクセス数は右肩下がり。でもどうしようもない。
今朝初めて「水星」なる天体を初めて肉眼で観測できたので、朝の時間をサクッと取って書きたいと思う。
満ち欠けの金星
北緯38度、宮城県でいま太陽が昇った:もはや直視できない輝きで大地を照らしている。ヒヨドリが寒さも気にせず陽気に鳴き始める。この2時間前、獣に襲われる夢から醒めて起きた時、南東の空30度ほどの高さに満ち欠けした金星が驚くほどの大きさで光っていた。
2018年12月22日に木星と水星が接近すること、今月15日に水星が太陽より東方最大離隔に達し、観測好機を迎えることなどが天体観測手帳には書かれている。15日は曇っており水星どころか夜空すら見れなかった。
「今日は水星が観れるだろうか?」とりあえず外に出て空の状態を確認しようと思った。冬の早朝にはよく南西にオリオン座が神秘的に眺められるからだ。だがオリオンは沈みつつあってよくは見えず、代わりに冬の透き通った空に普段はよく見えない星座群がたくさん輝いていた。
「これは」私は思った「今度は水星が見れるかもしれないぞ」。スマホで日の出時刻と水星と金星の位置、および天球上の弧を描く黄道のラインを国立天文台サイトで確認した。すでに金星の位置は捉えている。あとは水星が昇るのを待つだけだ;
夜明けの低空
日の出が6時40分だがすでに夜明けが始まっており、東の低空はホメロス語るところの「指薔薇色の暁の女神」状態になっている。私は水星を見ることができるのかどうか、まだ疑いながらもそろそろと外へ出て観た。下手に天体望遠鏡を使って手間取るよりも、まずは肉眼でと思ったのである。
庭の所定の位置に立って金星の方を見ると、黄道のもっと下の方に見よ!何か二つの星が光っているではないか。その時私は水星をついに観たと確信した。二つのうちどちらかは絶対に水星であると。空はすでにけっこう明るい。1等星もすでに見えないが、北東の天空にまだ1つ光っている恒星がある他は、どの星ももう見えない。
この状態で見えるのは地球に近い惑星のみだからだ。しばしの間東の低空の二つの星を呆然と観ながら感動していた。水星を見るまでの長い手続きというか、道のりを思い起こしながら。さすがは隠れた知恵の神、ヘルメスである。
感謝の言葉
さらにその星が惑星であるという確信をいっそう得るために、私は棒立ちになり電線に向かって星が動いていき、追い越すのを見た。微動装置なしの天体望遠鏡で見てもわかるように、このような速さで動くのは惑星のみだ。「そうだ、あれは水星だ」私は思った。
あとでスマホで確認すると、その間ずっと水星だと思っていた星は実は木星だった。もう一つの小さくて木星より早く朝日の中に消えた星が実は水星だった!でもまあいいじゃないか、水星を見たのには間違いないのだから。
前述したように22日には明け方に木星と水星が最接近する:私はそれを忘れており、水星の近くに木星が来ていると思っていなかった。水星の他に近くに惑星はいないという先入観のため、二つの星の一つを消えかかった恒星だと考えたのだった。
ヘルメス・トリスメギストス、ありがとう。ついにあなたをこの目で見ることができた。
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