2017-05

哲学的偏見

プラトン『クリトン』レビュー|ソクラテスが逃亡を拒んだ理由とは?

【プラトン】「クリトン」レビュー|国家の法とダイモンに従うソクラテスの選択プラトンによる対話篇『クリトン』は、その短さとは裏腹に、非常に濃密な哲学的テーマを内包しています。舞台はソクラテスの死刑が決定した後、彼の友人クリトンが牢獄を訪れ、脱...
疑似学術地帯

 【イースター島】モアイ像と絶海の詩情──ラパ・ヌイに吹く古代の風

【イースター島】モアイ像が佇む、孤高の神秘と詩の風景ラパ・ヌイ──青い海に浮かぶ三角の孤島南太平洋の果てに浮かぶ、小さな三角形の島──ラパ・ヌイ。一般には「イースター島」の名で知られるこの地は、かねてより私の憧れの場所のひとつだ。一度でいい...
疑似学術地帯

 【ナスカの地上絵】空に向けて描かれた古代人の詩──神と未来へのメッセージ

【ナスカの地上絵】古代人の“本気の遊び心”と美の記録大地に描かれた巨大な落書き南米ペルーの乾いた大地に刻まれた、不思議な巨大絵画──それが「ナスカの地上絵」だ。赤褐色の表土を削り取ることで、淡い下地を露出させるという極めてシンプルな方法で描...
哲学的偏見

 【チベットの死者の書】ちくま学芸文庫版〜詳細考察

【チベットの死者の書】ちくま学芸文庫版〜詳細考察本の全体構成ちくま学芸文庫『チベットの死者の書(バルドゥ・トェ・ドル)』は、三巻構成となっている。 第一巻:チカエ・バルドゥとチョエニ・バルドゥ 第二巻:シパ・バルドゥ 第三巻:祈願の文書カタ...
視聴覚の墓場

【スーサイド・スクワッド】低評価の超面白い映画!!を紹介

【スーサイド・スクワッド】低評価の超面白い映画!!を紹介──おいおい、Amazonレビューの星だけ見て「つまんなそう」って思ったそこの君。人生半分損してるぜ。これは“ダメ映画”というレッテルの裏で輝く、混沌と狂気とコスプレのごった煮エンタメ...
視聴覚の墓場

【マッド・マックス1】狂気と爆音の原点を劇場で観た男の回顧録

【マッド・マックス】1作目レビュー|最高に狂った映画を、劇場で観たあの日※注:2025年現在、Amazonプライム・ビデオ配信中の「マッドマックス1」は、筆者が確認した限りオーストラリア英語のオリジナル音声版です。◆リアルタイムで観た「マッ...
哲学的偏見

プラトン『エウテュプロン』レビュー|ソクラテスが問い続けた「敬虔」とは何か?

【プラトン】『エウテュプロン』レビュー|敬虔とは何か?問答から逃げた男プラトン全集 第1巻より岩波書店の『プラトン全集』は、日本中の図書館を静かに照らす知の宝庫です。中でも第1巻はソクラテスの裁判前後のエピソードがまとめられていて非常に人気...
哲学的偏見

 【ヘルメス文書】ヘルメス・トリスメギストスの神秘思想とグノーシス的知識の世界

【ヘルメス文書】ヘルメス・トリスメギストスの謎に包まれた神秘文書とははじめに――神と知の融合体としてのヘルメスヘルメス・トリスメギストスとは、ギリシャ神話のヘルメス、ローマ神話のメルクリウス、そしてエジプト神トート――この三者が同一視され融...
ラーメン豚の鳴き声

【ラーメン山岡家】初心者向けレビュー|醤油派が味噌にハマるまでの記録

【ラーメン山岡家】初心者向けレビュー〜結局、味噌に帰る以前の記事でも書いたが、宮城県北部において私のラーメン生活はもはや山岡家中心に回っている。今回はその“ハマるまでの道のり”を振り返る、初心者〜中級者向けレビューである。🍜前回記事はこちら...
詩煩悩

ウィリアム・ブレイクと「地獄の印刷技術」|天国と地獄の結婚に見る詩と感覚の超越

【ブレイクと地獄の印刷技術】「天国と地獄の結婚」と感覚を越えた世界ウィリアム・ブレイクの詩画集『天国と地獄の結婚』は、全27枚の銅版画からなる不思議な作品だ。これは「挿絵つきの詩」であると同時に「詩が刻まれた絵画」でもある。彼自身が発明した...