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【ナグ・ハマディ文書】洋書レビュー(5)〜暗闇とスピリット、そして驚き(Astonishment)

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日本で『ナグ・ハマディ文書』の完訳を読むには5万円ほどかかる。しかし英語版の洋書では約3000円でコンプリート本が販売されている。

以下アマゾンの販売リンク↓:The Nag Hammadi Scriptures, edited by Marvin Mayer( HarperOne; International, Reprint, Revised, Updated版 (2009/5/26))。

*前回記事【ナグ・ハマディ文書】洋書レビュー(4)〜「無知」と「覚知」について

アダム

両性具有者アダムが他の人間を見たとき、彼はひどく驚いた。なぜなら自分も含めこのような生き物が声を出し、動き回り色々な行為をしているのにその自覚がなかったからだ。

それはちょうど夢遊病者の行いに似ていた。彼らは声を出すが言葉にはなっておらず、非常に耳障りな喚き声を1分間に何度も発した。

またその顔をまじまじと見ると動物のような表情をしていて、常に頭蓋骨の全面を構成する筋肉を引きつらせ(後頭部にそのような筋肉は無い)、「眉」や「唇」「目」「頰」を歪め”笑って”いた。

また胴体を2本の脚で支えており、その肉の内部に硬い骨がちょうど支柱のように埋め込まれていて、そのおかげで重力に逆らって直立したり歩行したりできているのがわかった。

身体

こいつらの身体だが「骨」と「肉」で構成されているのは明白で、常に心臓が鼓動し脳が自律神経の手綱を取っているようだった。胃袋の下には腸がとぐろを巻いており最後に大腸が糞を保管していた。

もちろん水分もこいつらが生きるためには必須だから、常に腎臓が小便を生成し膀胱に尿を滴らせていた。さてこのような自動人形が「俺は偉いんだ。力がある。俺は美しい」と牡牝問わず周囲に主張していた。

挙げ句の果てに原子を操作して得た電気エネルギーにほぼ100%依存した”情報発信機器”により、そのような姿を全世界に大喜びで発信するのには腹が割れるほど笑わされた。

彼らの身体が常に”食物”によって維持されているのは明白だった。食物の摂取と消化および吸収、呼吸と睡眠と覚醒、それだけが彼らの存在理由だった。

鉄槌

アダムは光によって照らされ、力を得た時「無知」の暗闇を見渡した。彼は鉄の杖をもって泥の器を砕くように、「無知」の暗闇を破壊した。

傲慢に、遠慮なく、無慈悲に。「狂気」が彼の額の裏側に宿った。彼は叫んだ「この幻ども。お前らが実体を持っているのならそれを証明してみろ。お前らが本当に存在しているのならばな。」

『ナグ・ハマディ文書』は言う;「我々は彼らを無視する。彼らが我々を恥ずべき仕方で扱う時、我々は彼らをじっと見つめる」

●参考→【新約聖書・福音書】塚本虎二訳、岩波文庫版〜学術書としての見地から紹介

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