哲学

【法華経】岩波文庫(上中下3冊組)レビュー〜日本人の善悪観の原点・必読書

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概説

wikiによると”法華経”は聖徳太子の時代に仏教とともに伝来した、とあり、かつまた鴨長明『方丈記』には3メートル角の室に「法花経」があったと書かれている。聖徳太子は昭和の時代にお札になっていた人であり、法華経の註釈である『法華義疏』(ほっけぎしょ)を著し、日本において仏教の定着普及する礎を築いた。

子供の頃和尚さんが家にきてお経を唱える。漫画やアニメを見て意味も分からず”なんみょうほーれんげーきょう、なんみょうほーれんげーきょう”と友達と唱えて遊ぶ。我々日本人は西洋のように洗礼を受けず、葬式でミサもあげない。仏教こそ我々日本人の教えなのだ。

概要

”南無”とは「帰依いたします」という梵語の音訳らしい。音訳というのは例えば戦後の現代日本人が英語をカタカナで書く、あれである。漢文特にお経にはそのような文字がしばしば出る。音訳の漢字はほぼ文字自体には意味がない。だから真剣に考える必要がない。

そして以下に続く”妙法蓮華経”こそこの『法華経』である。すなわち”南無妙法蓮華経”は「法華経に帰依いたします」という意味になる。

文庫

これを岩波文庫で読むとどうなるか。上中下の3冊、各本大分厚い。果たして読破できるだろうか。ちょっと開いてみると漢字だらけである。しかし日本人として『法華経』を読んだことがない、というのは、いわば人間として心臓が無いのと同じである。絶対に読まなくてはならない。

そう意気込んで仕事もほっぽり出して一気に読んだ。1日中机に向かって3日程で読み終わった。3冊組みとはいえ、ボリューム自体は1冊分しかない。というのはこの本には見開き右ページに梵語を中国人が漢訳した原文の漢文(これが和尚さんたちの唱えるお経である)、訓読文(中国語の漢文を古文形式に訳したもの。禅の本などの場合直訳になりしばしば難解である)、そして左ページには親切な現代語訳がある。解説・註釈は巻末にたっぷりと付く。

漢字

そもそも「経」とは織物の縦糸、「緯」は横糸を指す。地球上の位置を緯度経度で表すように、その字は実際に使用されており意味を持つ。同じようにあらゆる漢字は音とともに訓(意義)を持つ。その意義を噛み締めながら『法華経』の漢文を読めるのが非常にありがたい。また古来日本人が訓読してきたであろう読みを読めるのもありがたい。

二つながら分からなくても現代訳が理解を助けてくれる。このような”お経を読める”ということはありがたい。この”ありがたい”という気持ち、仏様に感謝する気持ちこそが大事である。これぞ、日本人の心である。

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