"Seminate aurum vestrum in terram albam foliatam."
絵
この絵はこういうイメージである;農夫が籠を片手に畑を歩きながら、作物の種子の代わりに金貨と思しき小さな丸い円盤を撒いている。背景は田園風で畑のような大地は木が生え葉叢が繁茂している。
これはなかなか解明が難しい。”葉の繁る大地”しかも”白い”とは何なのか;”白い”というのは言葉だけで見ると、落ち葉が敷き詰められた秋の地面のことかと思わされる。例によってどうにでも取れるエンブレムである。
金
"aurum"金を、とは黄金とも金貨つまり貨幣であるお金とも、あるいは男性の精巣にある精子とも取れる。”捲く”は種子"seed"を畑すなわち4大のひとつである土"earth"に捲くことによって、作物すなわち収穫を得ることに繋がる。
種とか収穫とかは聖書には頻繁に登場する喩えであり、それだけ神秘的な用語なのである。例えば人は精子という種が子宮に撒かれなかれば発生しないし、どんな植物も種無しには生え出ない(たぶん)。
種
ゼウスのスペルマは黄金に喩えられる。だがここで最もありそうな意見は世間一般で言う所のお金すなわち貨幣ではないかと思われる。哲学者がお金を得ることが摂理によって認められても、それが普通より多かろうと少なかろうと、健全な哲学者はそれに執着しない。
お金は無駄なこの世の塵埃を積み上げるために使うな、”葉の繁る白い大地に”撒け、つまり使え、消費せよという意味になる。
白
だがいや待てよ、ますますわからなくなってきた(笑)。このことが何で”葉の繁る””白い”になるのだ?錬金術のアレゴリーには何ひとつとして暗喩を含まないものはない以上、空間のどこにも空虚が存在しないのと同様に、これに何らかの意味を与えねばならぬ。
かなり飛躍してしまうがこういうのはどうだろう;もちろん異論は大歓迎 😛 白い大地で思い浮かぶのは直ちに雪の積もった地面である。この雪を反対に夏の見事な樹々の葉叢のように思うわけである。つまり寒い季節である冬の雪”死”のイメージが、夏の生命の噴出に逆転する。
鍵
このような秘儀的大地にあなたのお金を使え、という結論になる。今回の学習は以上である。おそらく筆者の解釈は完全に間違っていると思う。ご不満の方は他サイトや文献を見て研究していただきたい。
最後にグリモワール『ソロモンの鍵』によると黄金は日曜日(惑星・太陽)の金属で白は月曜日(惑星・月)の色である。日曜日の色は黄色、月曜日の金属は銀。