マンディアルグ短編集『満潮』は原題"Mascarets"であり、マスカレは海嘯(かいしょう)、潮津波などと訳される珍しい自然現象である。ところで邦題の「満潮」は短編集の最初に収められ、巻末収録最後の「海嘯」とは異なる。つまり日本語版は目玉タイトルをこの「満潮」に変えたわけだ。
海嘯よりは満潮の方がポピュラーだし人々にもよく知られているからだろうか。今回は1971年の短編集に"Mascarets"に収められた「満潮」(La Maree)についてである。
作品概要
「満潮」(La Maree)なる短編小説はマンディアルグのエロティシズム小説の中でも最高度に完成され面白い作品。”従姉妹のジュリー”の唇に激しい欲望を抱いた青年が、いつものピクニックでわざと満潮の時を見計らって海へ出かけ帰れなくする。
ジュリーは16才の処女で主人公は20才、いずれも身体ピチピチで性欲がはちきれん年頃だ。エロさというものは年齢とともに変化する。未成年の時の猿のような性欲と、30才頃のネチネチした性欲とはまた違ったものである。
ねっとりとした本番挿入をじっくり味わうのが30代であるなら、未成年あるいは二十歳前後の性欲はもっと美しい何かがある。まだ汚されていない、純粋な性欲とでも言おうか。ジュリーは若者が緻密に計算した罠にハマって、海岸で満潮の海に囲まれて閉じ込められる。
従姉妹の唇
その時若者は従姉妹に「君の唇に対して自分は激しい渇きを覚える」こと、および「もはや何物も自分の欲望を止めることはできない」こと、そして「今から自分は君の唇で欲望を満たし、渇きを癒すのである」ことを宣言する。
そう、若者は従姉妹に自分の脚の間に四つん這いになり、口を開けてフェラチオすることを命じた。そして時計を見ながら海の満潮の時を計算し、海面が月の引力によって静止する絶頂に合わせて射精をコントロールするのだった。
自然のオルガスムス
言うなれば自然のオルガスムス、太陽と月の引力が合わさった海の満ち引きを起こす力。それらと一体になりちょうど満ち潮が引き潮に変わるその時、海面は最高点で静止する。その時こそが、若者が従姉妹のジュリーの口の中に幸福の液体を迸らせる瞬間。
主人公の生命の流出を一滴残らず喉の奥に頂いたジュリーは、もっと遊びましょうよと言う。しかし若者は答える「これは遊びじゃない。僕らは勉強しに来たんだ。潮の満ち引きがどんなものか、君にもわかっただろう?」
まとめ
高円寺にせよ大塚にせよ町田にせよ、激安ピンサロは存在する。主に早朝割引があるのであるが、指名なしだと非常に安くエロい体験ができる。だがピンサロは衛生上は最も下位にあるので、清潔好きの人にはおすすめしない。
指名なしでもごくたまにとんでもない上玉に出会うことがある。そんな時、嬢の激しいテクニックで終わってしまうのを我慢しながら、時計を見る。30分、限られた時間の5分前に”フラワー・タイム”の声が高らかに上がる。
その時こそ、命の流出の瞬間である。例えが超愚劣になってしまったが、マンディアルグの「満潮」という短編小説には、この男性客の心理にやや近いものが見受けられる。我慢に我慢を重ねて最後に迸る精液は、至高の幸福にわななくのだ。
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