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【マンディアルグ】L'homme du Parc Monceau.「モンソー公園の男」解説・紹介・感想

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前回の「ポムレー路地」に引き続いて『黒い美術館』からの短編の紹介。「ポムレー路地」が実際にフランスのナント市にあるのに対し、このモンソー公園もまたパリの8区という所にある。どうやら有名な観光名所でもあるようである。

*前回【マンディアルグ】「ポムレー路地」(Le passage Pommeraye)解説・感想・紹介

公園の入り口にはロトンドなる丸屋根の建物があり、google mapでもよく見える。公園の周囲は先の尖った鉄柵でぐるりと囲われている。パリの公式ページによると朝7時から夜8時まで開いている。ということは時間外は公園は締め切られるのだろう。

我らが主人公である男、"L'homme"は真夜中にモンソー地下鉄駅から出現する。さてどのようにして公園に入ったのか。

奇妙な能力

この男は信じられない能力を有していた。ターミネーター2のT-1000のように、またはX-MENか何かのスーパーヒーローのように、体が柔らかく何にでも変形できるのだった。Signor Molle、そう後に呼ばれることとなる名は英語にするとMr. Softだろうか。

彼はまず蛇のように変形して鉄柵を越えると、今度は車輪に変わって公園内を転がり始めた。次いでとある彫像が目に入る。モンソー公園にはいくつかの彫像が飾られている。小説にはラオコーンおよびネプチューンという名が出てくるが、調べたがこの2つの像はない。

多分男が彫像の1つに巻きついて、ヒュドラーのような蛇になったりタコのように触手を絡ませたりしたがためにそのようになった、との意味合いを含めた技巧なのだろうと思われる。つまり蛇の時像はラオコーンで蛸の時ネプチューンだというわけである。

ピラミッド

一匹の魚が池で飛び跳ねる音で動きを止めた男は、藪の中に滑り込む。しかしすぐに出てきた。今度は地面に広がった大きな皮膚、潰れたスライム状になった。そのまま公園にある小さなピラミッドの入り口に侵入する。うっすらと明かりが漏れていたためだ。

元の体に戻り内部を観察する。壁は3方から迫ってくるとあるが実際のピラミッドは四角錐である。ここから現実のモンソー公園から完全に離れていく。

ル・フロランタン

部屋の床がトラップのように開き、もう一人の人物が出てきた。彼はル・フローランタンといった。迎えの理由を説明し、我々は彼をずっと”お待ちしていた”こと、”大きな猫のマモン”様との結婚の準備ができていることなどを伝えた。

彼に続いて下へ降りると5つの雛鳥の骨格から発する五角形の明かりによって照らされた空間に出た。ここに二人の恐ろしく年取った老婆がおり男の身だしなみの世話をした。やがて乱暴に二人を引き離すとル・フローランタンは廊下へと出た。

円柱

廊下は柔らかく生きていて熱い、いくつもの円柱が並び天井を支えていた。蛍を詰め込んだ貝殻の裂け目から虫の飛ぶ様がわかり、ここから明かりを取っていた。極めて美しい15才から17才の乙女たちが、梯子の上で指と舌で楽器のように柱に触れ続けていた。

さらに小さな女の子たちが走り回って、円柱が真っ直ぐ立ち続けるように世話をしていた。もし柱たちが垂直な硬直性を失えば天井は崩折れるのだ。円柱は硬い象の毛も生えているために、明白にペニスを想像させた。

猫のマモン

廊下の奥の騙し扉を潜ると巨大なクッションの内部のような部屋に出た。案内人は消え、室の真ん中に鎮座します”猫のマモン”(マモンは聖書では悪魔の名前であるが)の足の狭間に男はいた。

結婚の時が訪れ、大きな猫がゴロゴロ鳴きながら覆いかぶさってきた。廊下の円柱は崩折れカタストロフとなり、男の感覚はただ心地よい毛と匂いで満たされる。そして全身の皮膚が食い込む爪の愛撫で彼の意識を失わせる。

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