【有備館】岩出山伊達家の郷学と庭園を歩く|震災復興した日本最古級の書院造を訪ねて

プラ保存箱

【有備館|岩出山伊達家の郷学】震災から復興した日本最古の書院建築へ行ってみた

今回は宮城県大崎市にある、岩出山伊達家ゆかりの郷学「有備館」を訪れてきました。ここはかつて伊達政宗の四男の居城があった場所であり、現存する書院造として日本最古級の建物でもあります。東日本大震災で倒壊したものの、近年修復され、見事に復活を遂げました。

かつて筆者は近隣・鬼首高原でテント張りのバイトをしており、その際に有備館の横を通ったものの、日射病でスルーしていた苦い思い出が…。今回はようやくリベンジを果たせました。

◯関連:鬼首高原でテント張りのバイトをしてみた話

有備館の歴史をざっくり紹介

  • 1591年:伊達政宗、米沢から岩出山へ移る(地名変更)
  • 1602年:政宗の四男・愛松丸に岩出山城を与える
  • 1677年:二代・宗敏の隠居所として有備館主屋を建造
  • 1715年:庭園が整備される
  • 1850年:郷学「有備館」として開館
  • 2011年:東日本大震災で倒壊 → その後耐震補強・復元工事完了

有備館パンフレット

用水路と城山公園の風景

有備館のすぐ隣は、伊達政宗の居城跡「城山公園」。駐車場のそばには紅葉に彩られた用水路が流れ、なんとも情緒ある景観です。公園では子どもたちが元気に野球。歴史と日常が共存する、のどかな空間が広がっていました。

用水路

秋の用水路

この裏道は無料で散策可能。有備館正面とはまた違った趣があります。地酒のお店や小さな食堂も点在しており、誘惑に勝てるかが試されます(笑)。

いざ、館内へ

入場料は300円、鯉のえさは100円。館内はコの字型の下屋敷「対影楼」と呼ばれ、かつての伊達家の教育・学問の場でした。

有備館内部と庭園

リニューアル後は天井も柱も新しく、かつての黒ずんだ天井や歪んだ柱は整然と直されていました。縁側から眺める庭園は、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような優雅さ

奥座敷から政宗を想う

「お上の間」「中の間」「下の間」が連なった奥座敷は、かつて藩主の対面に使われた空間。上座・下座の配置、床の間の掛け軸、そして絵画のように切り取られる庭園の風景…すべてが格式を物語っていました。

奥座敷の掛け軸

殿様目線の庭園

名物:鯉のエサやりは絶対やるべし

庭園の池にいる鯉たちはとにかくアグレッシブ。えさを買って撒けば、巨大な口を開けて集まり、ライブ会場のダイブのような盛り上がりを見せます。

えさの取り合いには性格と戦略が出るのも面白い。ずる賢く遠くで待つ鯉、アピール上手なパクパク系、そして飛び跳ねて怒るヤツも。

「人間の願いを聞く神様って、こういう気持ちなんだろうな」と思える瞬間です。

渋さ満点の庭園をぐるっと一周

池の対岸から見える有備館の姿もまた美しい。金閣寺ではないけれど、それに通じる日本庭園の渋みと構えを感じさせます。

池から望む有備館

園内の散策は1時間〜1時間半ほど。静かな時間と歴史ロマンを味わえるスポットとして、心からおすすめしたい場所です。

まとめ:歴史と復興、癒しが交差する場所

かつて震災で傷ついた有備館は、立派に復興を果たし、今また多くの人々を癒やしています。訪問後、「また来たい」と素直に思える場所でした。地元の歴史、静かな庭園、そして飛び跳ねる鯉たち――ここには確かに“何か”があります。

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