小説

【エドガー・アラン・ポー】短編「壜のなかの手記」〜沈没寸前の船で書かれた秘密の告白

「残りの命はや一瞬もない者は、何ごとをも包み隠さぬ。」という17世紀フランス劇作家キノオの引用から始まるこの短編小説は、創元推理文庫ポー小説全集1巻の冒頭を飾る名篇。作品概要メッセージを書いてあり合わせの壜につめ、海の波に流し見知らぬ読者の...

シェイクスピア【あらし】あらすじ・感想〜無人島に繰り広げられる魔法の世界

シェイクスピアの「あらし」または「テンペスト」は、弟の裏切りによってミラノ公の座を奪われ、島流しにされた親子が無人島に流れ着き、魔法と妖精の力を借りて再び元の地位に戻るまでの話。*今回をもってシェイクスピアのレビュー・シリーズはいったん休止...

シェイクスピア【夏の夜の夢】あらすじ・感想〜恋は盲目、恋は移り気、恋は魔法

シェイクスピアの喜劇「夏の夜の夢」あるいは「真夏の夜の夢」は、その題名通りうっとりさせるような幻想物語。何よりも読んでいて観客を楽しませるのみならず、書いている作者自身が楽しんでいるかのような余裕が感じられる。うんちく舞台背景はアセンズ、主...

シェイクスピア【アントニーとクレオパトラ】あらすじ・感想〜豪奢な快楽が男の理性を曇らす

「ジュリアス・シーザー」の続きに当たるシェイクスピアの古代ローマ史劇を紹介。◯「ジュリアス・シーザー」はこちら→シェイクスピア【ジュリアス・シーザー】初代ローマ皇帝 ”カエサル” の暗殺劇クレオパトラ読者の皆さんは”クレオパトラ”というエジ...
小説

【エドガー・アラン・ポー】「ウィリアム・ウィルソン」〜ドッペルゲンガーの怪奇な干渉

エドガー・アラン・ポーの短編「ウィリアム・ウィルソン」を紹介。ポーの小説はどれを読んでもたいてい面白いが、これは中でも最高傑作のひとつ。ドッペルゲンガーもしあなたにいつも側にくっついてきて、あなたのやること成すことに対し、ああだこうだと口出...
音楽

【おすすめ洋楽】アルバム紹介・itunesライブラリより厳選〜2018年7月(90年代初頭・オルタナティブ系)

今回は日本のバブル崩壊直前・90年代初頭のアルバムで、筆者がやっていたパンク・ハードコア・バンドを脱退する直前に聴いていたものが中心。その頃型にハマったパンクの音楽とファッションに疑問を持ち初めていた。周りと違うことをやるのがパンクなら、モ...

シェイクスピア【ジュリアス・シーザー】初代ローマ皇帝 ”カエサル” の暗殺劇

ジュリアス・シーザーは”ガイウス・ユリウス・カエサル”の英語名である。英雄的軍人・政治家・文筆家であり「ガリア戦記」を書いた。事実上、古代ローマ初代皇帝に匹敵する権限 ”終身独裁官” の位に付いた。(世界史上は初代皇帝はシーザーの姪の息子で...
小説

【マンク】〜修道僧が悪魔と契約・少女を陵辱〜M・G・ルイス作ゴシック小説紹介(3)

眠り薬で監禁された乙女を、地下墓地の暗闇内で犯し続ける修道僧についに破滅の魔の手が迫っていた。アンブロシオは死刑から逃れるためについに悪魔を呼び出し、契約書にサインする。シリーズ3回目。●1回目、2回目はこちら→【マンク】〜修道僧が悪魔と契...
小説

【マンク】〜修道僧が悪魔と契約・少女を陵辱〜M・G・ルイス作ゴシック小説紹介(2)

男ばかりの修道院内に潜り込んだ本物の女と淫らな行為に耽りながら、アンブロシオは今度は15歳にもなっていない、とてつもない美少女アントニアにぎらぎらした情欲の眼を向け始める。シリーズ2回目。●1回目はこちら→【マンク】〜修道僧が悪魔と契約・少...
小説

【マンク】〜修道僧が悪魔と契約・少女を陵辱〜M・G・ルイス作ゴシック小説紹介(1)

🌟なかなか面白い作品なのにあまりにも人々に知られていない。買うには古書で高額。なのであらすじ・ストーリーを<3回>にわたり、かなり詳しく紹介していく。この小説は高い評判の有名な修道僧が肉欲に狂い、終いには悪魔と契約して破滅する恐怖のロマンス...