ジョージ・ルーカスが創造したスペース・オペラ『スター・ウォーズ』映画の魅力やあらすじ・感想など各エピソード順を追って辿っていくシリーズ。1回目。エピソード1、2、3は新3部作で1999年より公開がスタートした。
概要
”遠い昔、はるか彼方の銀河系で”「民主主義共和国」はジェダイと呼ばれる超能力者の一団で守護されていた。宇宙を動かす根源的な力”フォース”を操り、ライトセーバーという電子刀剣の一種を武器とする超強力なジェダイ。一見無敵とも見えるこの種族にも敵があり、弱点があった。それは”ダークサイド”というフォースの闇の力を操る”シス”たちであり、自分たちが善であるために悪のダークサイドを見通せないことにあった。
『スターウォーズ』では1000年前に滅んだというシスについては映画化・ストーリー化はされておらず、そこにあったであろう戦いも不明である。このスペース・オペラは1977年のシリーズ1作目”エピソード4「新たなる希望」”を中心とした9部作なのである。
あらすじ
エピソード1では「新たなる希望」で中心的ヒーローだったジェダイの生き残りオビ・ワン・ケノービとその師クワイ・ガン・ジンの二人組みが、共和国に対して不審な動きをする通商連合への交渉に赴くところからスタートする。師弟が連合のドロイドと呼ばれるロボットに案内されると、待合室に毒ガスが撒かれる。共和国の母艦は爆破された。陰謀である。
ジェダイ二人はナブー星占領に出かける船に忍び込んで危機脱出に成功するが、星で出会ったヒッピーのようななりをした原始人ジャージャービンクスの案内で水中都市へ隠れた。クンガ人は最初ジェダイらの援助をはねつけるがフォースで言うことを聞かされて船を貸し出す。案内人としてジャージャーも引き受け、水中の星の核を抜けてナブー宮殿へ行くという計画だった。
宮殿にはすでに通称連合の占領のためにロボット兵が迫っていた。ジェダイはアミダラ女王と侍女のパドメを連れてどうにか星を脱出する。敵の追っ手を晦ますためにあえてならず者の田舎の星であるタトゥイーンへ逃れるが、その際に船のダイナモみたいな部品が壊れてしまう。
部品屋で奴隷としてこき使われていた少年アナキン・スカイウォーカーが主人ワットーを焚き付け、近々開かれるポッドレースの賭けに乗らせた。アナキンが勝てば船の部品がクワイ・ガンの物になるが、負ければ船が取られるという無謀な賭けだった。しかしクワイ・ガンは幼いアナキンの持つ強力なフォースを感じていた。
奇跡的にアナキンは優勝し、部品をゲットすることができた。さらに追加の賭けのかたでアナキンも奴隷から解放し、共和国首都のコルサントに連れて行ってジェダイになるのだ。アナキンの血液を調べたところマスター・ヨーダを超えるジェダイの資質さえ確認された。「フォースにバランスをもたらす者」が現れるという予言は、この子のことかもしれなかった。
あらすじ続き
コルサントでナブー星女王がパルパティーン議員に訴え、大きな会議が開かれた。星が攻撃されているので守ってくれとアミダラ女王は聴衆に頼むが、共和国は容易に動こうとしない。同じくジェダイ会議が開かれ幼いアナキンを評議会に紹介するが、ヨーダとマスター・ウィンドウはダークサイドを感じるという理由で子供の受け入れを拒否する。
クワイ・ガンはアナキンを信じ、自ら鍛錬することを宣言する。結論は保留となり当面アミダラ女王の警護の任に当たり、ナブー星へ同行する。侍女パドメは自分が本物の女王であることを原始人の長に明かし、膝をついて共に戦ってくれるように懇願する。隠してナブー星の命運を賭けた戦闘が地上で展開される。
ロボット兵の動力源でありシールドの起動源でもある母艦を、アナキンが見事な偶然で爆破し戦いに勝利。シスが送って寄越した悪の剣士ダース・モールもジェダイ師弟によって倒されるが、クワイ・ガンだけは命を落とす。死ぬときにオビ・ワンにアナキンを弟子にしてくれと遺言する。
ナブーの平和は一旦守られた。だがダークサイドの暗い影が押し寄せてきていた。なぜ1000年前に滅んだはずのシスがいるのか。ダース・モールはどこから現れたのか。全てがまだ謎だった。少年アナキン・スカイウォーカーはなぜダース・ベーダーになるのか。なぜ宇宙で戦争が始まるのか。「ファントム・メナス」を見終わった時点では繋がりが全く見えてこない。
総評
オビ・ワン・ケノービはアナキンを弟子にした。これから寺院で俗世から隔離されて修行が始まる。アナキンが出会った侍女だと思っていた可愛い女王パドメのこと、星に残してきた誰よりも大好きな母親のこと、拒絶されたがなんとか受け入れられたジェダイ評議会。夢が叶いはしたが胸に多少のしこりを抱えたまま、アナキンは田舎の星タトゥイーンから首都コルサント星へやってきた。
タトゥイーンは後にルーク・スカイウォーカーとオビ・ワン・ケノービが帝国の眼から隠れる星でもある。そしてパドメこそレイアとルークという双子のジェダイ兄弟の母親なのである。父親が誰かは言うまでもあるまい。
新3部作はシリーズ生みの親ジョージ・ルーカスが全て監督している。旧3部作でさえエピソード4のみルーカス監督であり、5と6は監督が別。ちょうど現在進行中の最新3部作でもJ・J・エイブライムス、ライアン・ジョンソンと変わっているようなものである。なのでエピソード1、2、3は少し事情が変わっていると言えよう。
まず宇宙船や登場するジェダイの活躍ぶりなどだが、旧3部作とは打って変わって一新されている。最新作や「ローグ・ワン」などの外伝が旧作のリスペクトなのに対し、エピ1−3は全然違う。例えばヨーダは人形劇みたいなヨーダでなく、CG丸出しですばしこい小さな剣士である。スター・デストロイヤーもXウィングももちろん出てこず、宇宙船も角ばった代わりに曲線形の流れるようなフォルムである。
またルーカス監督は日本の黒澤明監督のファンであり、スターウォーズは黒澤の影響を受けているなどと言われる。別に黒澤作品に詳しくなくても「ファントム・メナス」の最後の地上戦のシーンなどは「乱」からの霊感が強く感じられるだろう。
💫エピソード2はこちら→【スターウォーズ】エピソード2「クローンの攻撃」〜アナキンとパドメの禁じられた恋
✳️「ローグ・ワン」はこちら→【ローグ・ワン】スターウォーズ・ストーリー〜あらすじ・レビュー
✴️「最後のジェダイ」はこちら→スターウォーズ【最後のジェダイ】ネタバレ記事(閲覧注意)最新レビューと感想
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