【スターウォーズEP2感想】クローンの攻撃|アナキンとパドメ、禁断の恋とフォースの闇

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【スターウォーズEP2感想】クローンの攻撃とアナキンの闇

ジョージ・ルーカスが創造したスペース・オペラ『スター・ウォーズ』をエピソード順に辿るレビューシリーズ、第2回。エピソード1〜3は新三部作として1999年より公開が始まり、本作『エピソード2 クローンの攻撃』はその中盤にあたる。

本作の見どころのひとつは、ナタリー・ポートマン演じるパドメの抗いがたい色気。『レオン』で少女役を演じた彼女が、大人の女性としての魅力を放つ。そして何より、アナキン・スカイウォーカーが抱え始める“闇”。師オビ=ワンに対する反発心や、抑えきれぬ感情が、後の破局を予感させる。

あらすじ

ナブーの元女王パドメは、現在は共和国の議員として政治活動に携わっていた。首都コルサントへ向かうが、到着直後に乗っていた船が爆破される。幸いにも影武者が乗っていたためパドメ本人は無事だったが、命を狙われているのは確かだった。

現最高議長となっていたパルパティーンは、パドメの警護役として2人のジェダイ――オビ=ワン・ケノービとアナキン・スカイウォーカーを推挙する。かつての師弟は今やFBIのような捜査コンビとなり、パドメ暗殺未遂事件の真相を追うことに。

猛毒の虫を使った暗殺未遂事件から始まり、犯人追跡のスピーダーカーチェイス、そしてクラブでの対峙。アナキンの尋問直前に、犯人は遠くから撃たれて絶命。何者かが口封じを図ったのだった。

カミーノとクローン軍団

オビ=ワンは、怪物のような見た目の食堂主からヒントを得て「カミーノ」という星の存在を知る。だがジェダイの記録にはその星の情報がない。マスター・ヨーダは「誰かがデータを削除した」と言い切る。

オビ=ワンが推定位置へワープすると、カミーノは実在していた。そこには海上に浮かぶ未来都市があり、共和国の知らぬ間にクローン軍が量産されていたのだ。しかも、その設計元はジャンゴ・フェットという謎の男で、彼こそパドメ暗殺の黒幕だった。

ジャンゴは息子ボバとともに脱出。オビ=ワンは戦闘の末、追跡装置を取り付けて彼らの行き先を追う。

ボバ・フェットとクローン兵

『帝国の逆襲』で登場した賞金稼ぎボバ・フェットは、このジャンゴ・フェットの“純粋クローン”として生まれた息子だった。つまりクローン兵たちは皆ジャンゴの顔で、ボバだけは成長と自我を持つ特別な存在。

後のストームトルーパーたちがこのクローン兵と地続きであるという設定だが、EP4以降は顔も違えば個性もある。『フォースの覚醒』のフィンのように脱走する者も出てくるので、まあその辺はあまり深く突っ込まないことにしよう(笑)。

タトゥイーンでの闇

アナキンはパドメとともに避難先のナブーで過ごすが、夢に母の苦しむ姿が現れ、耐えきれず故郷タトゥイーンへ向かう。パドメも同行する。

母シミは原住民タスケン・レイダーに誘拐され、虐待を受けていた。アナキンが駆けつけたとき、母は息絶えた――。

アナキンは怒りに駆られ、タスケンの集落を皆殺しにする。ここに、後のダース・ベイダーとなる闇の始まりがあった。

ジオノーシスと開戦

オビ=ワンはジャンゴを追ってジオノーシスへたどり着く。そこではドロイド軍を量産する工場が稼働しており、共和国転覆の陰謀が進行していた。

アナキンとパドメはオビ=ワンの救出に向かうが、逆に捕まってしまう。処刑場での公開処刑――そこへマスター・ウィンドゥ率いるジェダイたちが駆けつける。だが数で劣勢に立たされ、もはやこれまでかという瞬間、マスター・ヨーダがクローン軍を率いて登場する。

クローン軍の活躍により戦況は逆転。ドゥークー伯爵(元ジェダイで現在はシス)が逃走するも、オビ=ワンとアナキンは果敢に挑む。しかしドゥークーの力は圧倒的で、アナキンは片腕を失い、オビ=ワンも倒れる。

そこへヨーダが登場。CGヨーダは一転して跳ね回る剣士に(笑)。ドゥークーをあと一歩まで追い詰めるが、逃げられてしまう。銀河系はついに“クローン戦争”へと突入する。

愛と戦争、そして崩壊の序章

すべてが終わったあと、ナブーではアナキンとパドメが人知れず結ばれる。誰にも祝福されぬ“禁断の愛”の始まりであり、ジェダイの掟に反する選択だった。

総評:急展開だが見応えあり

『クローンの攻撃』は見どころが多く、特にカミーノの海上都市やクローン軍工場のビジュアルは新鮮。ナタリー・ポートマンの色気も本作で一気に開花した印象がある。

ただし、クローン軍の採用動機が「あるものは使ってしまえ」的なノリに見える点は少々雑(笑)。しかもこの軍隊は後に“オーダー66”でジェダイを裏切り、皆殺しにする。

全体的にストーリー進行は早く、恋・母の死・師とのすれ違い・戦争勃発――と詰め込まれた構成。でもその分、展開に富み、非常にエンタメ性が高い。アナキンの転落の始まりを描く一本として、シリーズの中でも重要な位置を占めている。

🌠エピソード3はこちら→
【スターウォーズ】エピソード3「シスの復讐」〜師オビ・ワン・ケノービの怒りと悲しみ

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