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詩煩悩

【The fable 2】アベライーデ──翼の虫・糞と血・そして切腹

【ネット小説】第二回目: The fable〜title”アベライーデ・ベゴン・ティアマウーテッフェ”蝙蝠その名は"The Winged-Eye-Worm"──翼の生えた眼の虫。夜の大気のなか、そいつはゆっくりと飛びながら、死後硬直した私の...
詩煩悩

【インクレディブル】有り得ない夢から目覚める途中──覚醒と虚構の狭間で考える現代

「インクレディブル」〜有り得ない夢からの目覚めの過程にある3分の一の覚醒状態について人種肌の色、髪の色、目の色、体格──国の位置、文明と歴史、気候、言語……。惑わされるな。これらはすべて見た目に過ぎない。本質を見抜き、仕組みを解き明かすのだ...
詩煩悩

The Fable【第1章】アナーキー神話小説|ゼウス、牢獄、そしてドラゴンの黙示録

The Fable — アベイドネゲード・メローパ・スイモングマン他人が書いた物をただ延々と読む──それもいい。 だが、それらは"他人が"書いたものだ。同じ人間である以上、私にも書けるはずだ。 人間という種族は、書く。創る。 それを本能的に...
評論詐欺

666と憎しみの公園|滅びの預言と暗黒哲学の黙示録

Revelation──黙示と数字666──それはヨハネの黙示録に「獣の数字」、あるいは「人間の数字」として現れる。この解釈を巡っては、ミヒャエル・マイヤーの錬金術書『逃げるアタランテ』にもあるように、哲学の薔薇園の門をくぐるのではなく、塀...
評論詐欺

「メネ・メネ・テケル・ウパルシン」とは何か|ダニエル書に見る運命と滅びの預言

宴会と不吉な手旧約聖書『ダニエル書』ほど、不思議な雰囲気をたたえた本も珍しい。短いながら、神秘的な物語と言葉に満ちている。なかでも有名なのが、“メネ・メネ・テケル・ウパルシン”のエピソードだ。これは章の題名ではない。内容はこうだ──。あると...
疑似学術地帯

【ATALANTA FUGIENS】「逃げるアタランテ」EMBLEMA III.〜女が布を洗っているところへ行き模倣せよ

"Vade ad mulierem lavantem pannos, tu fac similiter."洗濯機と哲学「女の洗濯に学べ」──。 これは科学、つまり自然の作用を示すエンブレムである。さて、時は飛んで21世紀。ワンルームマンショ...
疑似学術地帯

【ATALANTA FUGIENS】「逃げるアタランテ」EMBLEMA Ⅱ.〜地球は彼の母である。

"Nutrix ejus terra est."地球──母なる大地女神のような女性が立つ絵がある。彼女の体は丸く膨らみ、地球そのものとなり、その乳房から赤子が乳を吸っている。地表には海と陸が描かれ、まるでグーグル・アースのようだ。ただし、そ...
哲学的偏見

殉教と大義の哲学|古代キリスト教と三島由紀夫に見る「生と死」の意味

信仰の行方西暦3〜4世紀、キリスト教が公認され、迫害が消えたとき、信徒たちは戸惑った。かつて神の国を目指してこの世をさすらい、死をもって信仰を証明していた彼らにとって、安穏な生とは「死に場所を失う」ことに等しかった。生きていても意味がない。...
疑似学術地帯

【Mutus Liber(沈黙の書)】錬金術が語る沈黙と宇宙のメッセージ|素朴な読解レビュー

解釈は無数にある『Mutus Liber(沈黙の書)』は、ラテン語で「沈黙の本」という意味。17世紀フランスで出版された錬金術書で、タイトルの通り、基本的に文章はなく、わずかな短いメッセージを伴う15枚のプレートだけで構成されています。プレ...
疑似学術地帯

【逃げるアタランテ】ミヒャエル・マイヤーの錬金術書レビュー|神話・哲学・音楽が交錯する不思議な書物

ミヒャエル・マイヤーが1617年に出版した錬金術の代表作『逃げるアタランテ』。この本についてはすでに多くのサイトで紹介されているので、ここでは内容の重複は避けます。以前、フーガ曲付きであることについては記事にしました。今回は、一度読んだだけ...