日常 エッセー

【安倍首相辞任】ひとつの長い期間に自身を当てはめ振り返る

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民主党政権

安倍首相が健康上の理由により辞任された。この方の辞任はただの総理大臣の退陣という事実だけでなく、自分個人の人生の長い歴史の一端を振り返ってみるきっかけになる。

事実、この10年間というものは世界にとっても日本にとっても、また筆者個人にとっても怒涛の変化の期間であった。まず2011年の東日本大震災。民主党政権のひどい対応が頭から離れなかった。

そして政権交代の選挙。自民党が再び手綱を握りもはや決して野党側に落ちないぞと誓った、あの戦い、そして勝利。

その頃私は川崎の稲田堤に住んでおり、よく路上に貼られた安倍さんのポスターを見かけた。元気に職場へ通う私を安倍さんのポスターは見送っていた。「日本を取り戻す」ポスターにはそう書かれていた。

おもてなし

滝川クリステルの五輪誘致プレゼンを観た頃には筆者は精神をすでに病み始めていた。2020年なんていつの話だろう、それでも僕には将来について夢がない。

祖父の逝去をきっかけに私の心は崩折れ、会社を退職するともう一端の「社会不適合者」になっていた。東京の職場、神奈川の住居を捨て転落するように田舎に帰った。

よくこのようなパターンで中高年の「引き篭もり」が出来上がることはよく知られている。毎日バリバリ働いている人は、その間はニートや引き篭もりを心底軽蔑している。そして自分は絶対にそうなることはないと思っている。

そして毎日社畜のように職場を行き来するだけの生活でも、そんな無職のニートとか引き篭もりよりはマシだ、と考えて自分は幸せだ、と考えるのである。私もそうだった。

地域貢献

引き篭もりには定義がある。その定義にハマらなければいいのである。私は自営業を名乗り(実際そうである)、内職をし、時間があるときは団体や地元の行事に参加した。

アルバイトで腰を痛めてからはもっぱら図書館で本を借り、本のレビューをブログで書いて小遣い程度だが若干の収入を得た。そのブログが今書いているこれである。

プロフィールにも簡単に書いてあるように筆者は若い頃本気になって作家を目指していた時期があった。一旦捨てられた夢と才能をもう一度蘇らせる、そんな野心もあった。

こうして読書、試行錯誤を重ねるうち、若い頃の思想までが蘇った。フランス語読解能力と英語読解能力は以前以上にまで復活し、文書解読能力および筆記能力と思考能力も。長い間の社会生活で失われていた、私は完全に若い頃の自分の考え方と思考法を取り戻した。

鳥の言語

筆者は現段階鳥の言葉がわかるようになった。これは若い頃は出来なかったことだ。また全宇宙の電磁気力の深奥に「霊」と呼ばれる物理的力が隠されていることを体現した。

失ったものは多いが代わりに私はパラクレートスなる聖霊から多くの偉大な事どもを学んだ。そして今や全世界に蔓延するコロナ・ウィルス。暴動、抗議運動。

オリンピックは消え、2020年のこの夏、全世界に中継されるはずだったお祭りの代わりに、不気味な天変地異が連日報道される。火球の出現、謎の異臭、山火事、大洪水、爆発、、、そんなニュースの中日本の総理大臣が昨日辞任したわけである。

筆者個人的にはこの方はよくがんばったと思う。歴代最長記録一位、せめてこれで名を残し教科書に載りたかったのかもしれない。B型の性格を生かし各国首脳と高いコミュニケーション能力を見せ、その場限りのセリフをテキパキと話して窮地を逃れる。

そんな安倍首相という日本のひとつの時代が終わった。

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