2021

哲学

【抱朴子】道教〜宗教化され伝説化された仙人そして仙薬とは

概要例のごとく『抱朴子』についての詳細はwikipediaに丸投げする。今回は岩波文庫と明徳出版社の中国古典新書に出ている本のレビューとなる。”道教”のwikiには典籍欄にこの書が大々的に載る。ということは、道教に興味を持った限りは目を通さ...
日常

【メルカリ】体験談〜「メルカリ教室」を受けたあと半月の間に起こったこと

メルカリ誰もが知るこの事業者名、CMのせいもあろうか一挙にポピュラーになった気がする。私が教室をネットで受けたのは令和3年7月11日日曜日、zoomをダウンロードして入室したそこは、いかにもくだけた感じの雰囲気である。こちら側のマイクをミュ...
哲学

【列子】中国古典新書・明徳出版社・レビュー〜「道教」宗教化した道、哲学化した宗教

概要『列子』は50歳にして出会った筆者のお気に入りの本だ。滅多に出会えない大好きな本がまた一つ増えた。媒体は明徳出版社の中国古典新書なるシリーズ。『列子』の巻は全文収録で、現代訳、用語解説、原文が付く。それでいて編集があっさりとしていて読み...
哲学

【阿頼耶識】(あらやしき)〜人間の第八の識、「心王」とは

概要中村元ほか編「岩波仏教辞典」によると、阿頼耶識(あらやしき)は唯識論法相宗独自の教義で、人間の最後の、第8番目の識を言うという。遊園地の施設みたいな感じを受けるこの用語は、例によって梵語の音訳と漢訳の合わさった複合語である。すなわちアラ...

【空海】『性霊集』〜超難解詩文集を読んで

概要空海、弘法大師のよく耳にする有名な本『性霊集』は、性的な内容の本でもなければ、西洋のインクュバス・スクブスといった淫夢精霊の類を論じた本でもない。正式の題名は「遍照発揮性霊集」で、弟子が一生懸命集めた空海の詩文散文集である。題名だとたく...
哲学

【普勧坐禅儀】道元禅師の座禅指南書〜只管打坐を勧める日本曹洞宗高祖の意図

概要『普勧坐禅儀』は道元禅師(以下道元・敬称省略)中国から帰国してまず著した本。本といえ小さな巻物で漢文で書かれた国宝である。弘法大師の『聾瞽指帰』的意義を持つ、日本仏教の現状を打開するパンクロック宣言のようなものだと言える。だが平安時代初...
哲学

【荘子】岩波文庫版(4冊組)を読んで〜感想紹介〜Tao[道]とは何か

概要菅原道真は讒言によって太宰府に左官され、そこで苦労をし、幼い子供を葬り、ついに終焉を迎えた。以後朝廷では怪異が続き、様々な道真の供養を行うも無駄で、醍醐天皇は皇居の落雷事件によって崩御する。天神と呼ばれ学問の神様と崇められている我が国の...

【碧巌録】感想・紹介〜紆余曲折の中国文芸作品を読んで

岩波文庫の3冊組み『碧眼録』を約半年かかって読み終えたのでその感想を書きたい。概要書物の詳しい概略はwikipediaに譲る。よってここには一般論ならぬ筆者の極めて個人的感想を記すことになる。まずこの書物の名前を知ることになったのは故夏目漱...
哲学

【秘密曼荼羅十住心論】弘法大師〜感想紹介〜(第七回)

外道外道は仏教でいうところの意味は仏法以外の教え全般を指す。道を外れると書き、つまり正しいTao(タオ)とは荘子老子の哲学における無為なのである。少なくとも梵語を翻訳した三蔵らはその字を使用した。法華経如来神力品にいかなる所苦楽いかなる時に...
哲学

【秘密曼荼羅十住心論】弘法大師〜感想紹介〜(第六回)

羊第一から第十まで、順に住心の詳細が弘法大師によって解説される。主体となるのが空海が請来した密教経典であるが、正式な顕教の内典や仏教以外の古代中国の外典もある。これらの引用に学者がするような解釈が付され、各章冒頭のみは空海が得意とする詩文的...