小説の闘牛場

谷崎潤一郎『春琴抄』レビュー|盲目の師弟関係が描くサディズムと美の極地

谷崎潤一郎『春琴抄』レビュー|盲目の男女師弟がたどる究極の愛と服従の物語谷崎潤一郎の1933年発表の中編小説『春琴抄』を紹介しよう。 主人公「春琴」こと鵙屋琴(もずや・こと)は、実在の人物ではなく、物語は完全なフィクションである。読みやすさ...
哲学的偏見

プラトン『ゴルギアス』あらすじと考察|哲学者ソクラテス、弁論術と俗世間に立ち向かう

【プラトン】「ゴルギアス」弁論術について〜罵倒される哲学者この対話篇は少し長いけれども読みやすい;しかし倫理的・道徳的内容のために、現代の若い読者にはやや退屈な思いをさせるかもしれない。だが読み終えれば有益なこと請け合いの名著でもあり、休憩...
哲学的偏見

【アリストテレス】地震と天界の関係とは?『気象論』に見る古代哲学と予知思想

地震はなぜ起こるのか?|アリストテレス『気象論』と古代の予知思想を読む“古代ギリシア最高の知性”とも称されるアリストテレス。その著作『気象論』では、雷や風、雨だけでなく「地震」までもが扱われています。本記事では、この古代の哲学者が地震をどう...
評論詐欺

谷崎潤一郎『文章読本』レビュー|職人作家が語る“究極の文章論”とは?

谷崎潤一郎『文章読本』レビュー|小説家による究極の文章マニュアルとは1934年に発表された谷崎潤一郎の『文章読本』は、日本文学の巨匠による“文章の書き方”を論じた名著である。芸術的な文章を目指す人だけでなく、日々のブログ執筆やライティングに...
評論詐欺

谷崎潤一郎『陰翳礼讃』レビュー|日本建築と闇の美を語る美学的エッセイ

谷崎潤一郎『陰翳礼讃』レビュー|闇の中に宿る日本の美学とは※北海道地震により被災された皆様へ、心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧をお祈りいたします。作品概要|光を拒む芸術論としての随筆『陰翳礼讃(いんえいらいさん)』は、谷崎潤一郎が...
思考の化石

超初心者でもできる!独自ドメインでブログ・ホームページを作る方法【WordPress対応】

【超入門】初心者でもできる!ブログ・ホームページの始め方ガイドどうもこんにちは :-D最近ちょっと忙しくて読書レビューが停滞気味……というわけで今回は気分を変えて、「自分のブログやホームページを作ってみたい!」という超・超・超初心者の方向け...
プラ保存箱

新聞配達の仕事とは?新聞屋の業務内容とメリット・デメリット【元経験者が語るリアル】

【新聞屋】さんのお仕事〜業種と良い点・悪い点など  業務の種類「新聞屋」の求人にもいろいろの募集形体がある。アルバイトだと新聞配達のみ、チラシ入れ、集金のみ、広告のポスティング、営業のみなど。正社員は”専業”などと呼ばれ、住み込みで完全拘束...
哲学的偏見

プラトン『国家』レビュー|死後の世界と輪廻転生──エルの物語(前編)

プラトン『国家』レビュー|死後の世界と魂の輪廻──圧巻「エルの物語」(1)※本記事は、岩波書店版『プラトン全集』(藤沢令夫訳・解説)を主たる参照資料としています。ピュタゴラスとオルフェウスの影『国家』第10巻の最終部に現れる「エルの物語」は...
哲学的偏見

プラトン『国家』レビュー|魂の選択と運命の糸──エルの物語(後編)

プラトン『国家』レビュー|魂の選択と運命の完成──エルの物語(後編)※本記事は岩波書店版『プラトン全集』(藤沢令夫訳・解説)に大きく依拠しています。◯前編はこちら→【プラトン】対話編「国家」死後の世界について〜圧巻 ”エルの物語”(1)運命...
詩煩悩

ボードレール『悪の華』冒頭詩「読者に」原文と意味|悪と倦怠を語る黙示的序詩

ボードレール『悪の華』原文講読|冒頭詩「読者に(Au Lecteur)」を読む250年以上の時を越えて、ボードレールは『悪の華』の冒頭で、私たち読者に直接語りかけます。 師であり友であったテオフィル・ゴーチェへの献辞に続くのは、名高き序詩「...