疑似学術地帯 【ATALANTA FUGIENS】「逃げるアタランテ」EMBLEMA Ⅱ.〜地球は彼の母である。 "Nutrix ejus terra est."地球──母なる大地女神のような女性が立つ絵がある。彼女の体は丸く膨らみ、地球そのものとなり、その乳房から赤子が乳を吸っている。地表には海と陸が描かれ、まるでグーグル・アースのようだ。ただし、そ... 2025.04.28 疑似学術地帯
疑似学術地帯 【Mutus Liber(沈黙の書)】錬金術が語る沈黙と宇宙のメッセージ|素朴な読解レビュー 解釈は無数にある『Mutus Liber(沈黙の書)』は、ラテン語で「沈黙の本」という意味。17世紀フランスで出版された錬金術書で、タイトルの通り、基本的に文章はなく、わずかな短いメッセージを伴う15枚のプレートだけで構成されています。プレ... 2025.04.28 疑似学術地帯
疑似学術地帯 【逃げるアタランテ】ミヒャエル・マイヤーの錬金術書レビュー|神話・哲学・音楽が交錯する不思議な書物 ミヒャエル・マイヤーが1617年に出版した錬金術の代表作『逃げるアタランテ』。この本についてはすでに多くのサイトで紹介されているので、ここでは内容の重複は避けます。以前、フーガ曲付きであることについては記事にしました。今回は、一度読んだだけ... 2025.04.28 疑似学術地帯
疑似学術地帯 『易経』とは何か?占いを超えた陰陽の思想と未来を読む知恵|哲学としての周易入門 『易経』とは何か?──占いを超えた古代の哲学書概要『易経』──その名は知っていても、長らく手の出ない書であった。なぜなら「占い=迷信」というイメージが強く、かつてキリスト教の神に心酔していた筆者にとっては、最も忌避すべき異端の書と思われてい... 2025.04.25 疑似学術地帯
疑似学術地帯 【ファインマン物理学】岩波書店レビュー〜物理音痴の人でもきっと楽しめる教科書 全5巻を読むまでの道物理学者リチャード・ファインマンの名前を、私が初めて知ったのはアランナ・ミッチェルの『地磁気の逆転』(邦訳)を読んだときだった。高校の数学すらまともに習得していない私にとって、物理学の世界は本来縁遠いもの。しかしファイン... 2025.04.24 疑似学術地帯
疑似学術地帯 アラトス『星辰譜』レビュー|星座と神話を詩にした古代ギリシャの星空ガイド アラトス『星辰譜』レビュー|夜空を詩に綴った古代の星座ガイド紀元前3世紀、マケドニアに生きた詩人アラトス(またはアラートス)。プラトンやアリストテレスより少しあとの時代に、彼は神話と天文学が交差する時代背景のなか、空の星々を詩で描いた。彼の... 2025.04.23 疑似学術地帯
疑似学術地帯 『仕事と日』を読む|ヘシオドスの教訓詩が語る神話・天文・そして“働く”こと ヘシオドス『仕事と日』――神話と天文紀元前7世紀ごろ、ホメロスと並ぶ古代ギリシャの詩人ヘシオドスが残した『仕事と日』。『神統記』と並ぶ代表作として知られ、神話や農業の教訓詩である本作は、現代の私たちが読んでも驚くほど面白く、風刺と洞察に満ち... 2025.04.23 疑似学術地帯
疑似学術地帯 【ATALANTA FUGIENS】「逃げるアタランテ」EMBLEMA Ⅰ.〜風が彼を腹の中で運ぶ "Portavit eum ventus in ventre suo."北風と命のはじまり古代ギリシャの人々は風に人格を与え、方角ごとに神の名を与えた。北風は「ボレアス」と呼ばれた神で、生殖の力をもつと信じられていた。プリニウスの記述では、... 2025.04.22 疑似学術地帯
疑似学術地帯 『逃げるアタランテ』レビュー|錬金術×音楽×神話が混合する無限の書物 逃げるアタランテ――音楽と錬金術が婚姻する書物「逃げるアタランテ(Atalanta Fugiens)」――この書名に聞き覚えがある人は、相当な錬金術マニアだろう。しかし、この本が“聴ける書物”であることは、意外と知られていない。著者はミヒャ... 2025.04.22 疑似学術地帯
疑似学術地帯 アルブレヒト・デューラー『芝』『野うさぎ』レビュー|雑草と小動物に宿る自然の力 アルブレヒト・デューラーの自然への眼差しドイツ・ルネサンスの巨匠、アルブレヒト・デューラー(Albrecht Dürer)が描いた2点の水彩画──「芝(The Large Piece of Turf)」と「野うさぎ(Young Hare)」... 2025.04.21 疑似学術地帯