小説の闘牛場 芥川龍之介『地獄変』レビュー|美と狂気が交差する芸術地獄 【芥川龍之介】『地獄変』感想・レビュー|芸術のために我が子を焼き殺す絵師概要芥川龍之介の『地獄変』は、鎌倉時代の説話集『宇治拾遺物語』を題材としている。芥川がよく素材にする『今昔物語集』よりやや後の時代の作品だが、いずれも古語辞典がなければ... 2020.10.15 小説の闘牛場
小説の闘牛場 【夏目漱石】『道草』紹介・感想|自伝風読み切りに垣間見える苦悩と素顔 【夏目漱石】『道草』紹介・感想|自伝風読み切りに垣間見える苦悩と素顔あらすじ|書斎から一歩外へ夏目漱石の『道草』は、晩年に完成した自伝的小説である。たとえば『硝子戸の中』が、病弱な身体を抱えた漱石が自室にこもりながら綴った“内向き”な作品だ... 2020.10.06 小説の闘牛場
小説の闘牛場 【夏目漱石】夏目漱石論|先入観を捨てて見えてくる“ほんとうの漱石先生” 【夏目漱石】夏目漱石論|先入観を捨てて見えてくる“ほんとうの漱石先生”「先生」はほんとうに偉かったのか?夏目漱石といえば、「国語の教科書」「千円札」「文豪」――そんなラベルがいくつも貼られた“偉い人”というイメージがつきまといますよね。正直... 2020.09.11 小説の闘牛場
小説の闘牛場 夏目漱石『夢十夜』感想レビュー|幻想と情念が交錯する短編の傑作 【夏目漱石】『夢十夜』読書感想レビュー|漱石を読むなら、まずはこれ!※使用テキストは、新潮文庫『文鳥・夢十夜』(昭和51年発行/平成14年改版)。出版社によれば「漱石珠玉の小品全七編」を収めた一冊です。国語の授業の“漱石”ではなく夏目漱石と... 2020.07.16 小説の闘牛場
小説の闘牛場 【マンディアルグ】『閉ざされた城の中で語るイギリス人』と精神の閉鎖|サドとの比較考察 【閉ざされた城の中で語るイギリス人】マンディアルグ作品から考察する精神的な「閉鎖」についての論考題名と仮面の作者アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグの異色作『閉ざされた城の中で語るイギリス人』は、フランス文学史における一種の“禁書”として... 2020.04.11 小説の闘牛場
小説の闘牛場 『海底二万里』ジュール・ヴェルヌ再読|マンディアルグ幻想文学との接点 『海底二万里』ジュール・ヴェルヌ再読|海底の幻想とマンディアルグ作品の深層にひそむ影ポムレー路地とナントの記憶ジュール・ヴェルヌの『海底二万里』というタイトルは、誰しも一度は耳にしたことがあるだろう。SFにさほど関心のなかった私でさえ、映画... 2019.11.24 小説の闘牛場
小説の闘牛場 【屍鬼二十五話】ソーマデーヴァ原典レビュー|死体が語る仏教的伝奇と謎解き説話 【屍鬼二十五話】ソーマデーヴァ作〜死体に取り憑いた悪霊が物語る伝奇集■ きっかけ:チベットからインドへ今から20年以上も前、川崎信定訳『チベット死者の書』(講談社学術文庫)を読み、その解説文にこう書かれていた──「アジア全域に流布された脱魂... 2019.08.21 小説の闘牛場
小説の闘牛場 サド『美徳の不幸』レビュー|善はなぜ破滅するのか? 【サド『美徳の不幸』レビュー】反道徳的寓話に見る“美徳の愚かさ”と思想の逆転はじめに──新サド選集の文脈と三島由紀夫桃源社から1965年に刊行された「新サド選集4」は、澁澤龍彦による訳業の中でも特に重要な位置を占めている。当時の日本における... 2019.05.13 小説の闘牛場
小説の闘牛場 サド『新ジュスティーヌ』レビュー|“美徳”はなぜ破滅するか? 【マルキ・ド・サド『新ジュスティーヌ』】“美徳”という幻想と、破滅への構造はじめに──“新”ジュスティーヌとは何か『新ジュスティーヌ』は、マルキ・ド・サドが生涯で三度にわたり描いた主人公ジュスティーヌの物語の、最終的な結実である。河出文庫版... 2019.04.24 小説の闘牛場
小説の闘牛場 マルキ・ド・サド『ソドム120日』青土社・佐藤晴夫訳レビュー|狂気と快楽の文学 【マルキ・ド・サド『ソドム120日』】佐藤晴夫訳・青土社──地獄の饗宴を読む地獄の序文──マンディアルグと“精神の安全弁”アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグが書いた『イギリス人』の序文(澁澤龍彦訳)に、次のような言葉がある。「私は、彼ら... 2019.04.04 小説の闘牛場