小説の闘牛場

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【お前が犯人だ】ポーの異色短編──“いい奴”の仮面と腹話術による真相

エドガー・アラン・ポーの1844年の短編「お前が犯人だ」"Thou art the Man"(原題)の紹介。皮肉と錯誤に満ちたこの物語では、善良を装う偽善者が、読者の予想を超える方法で暴かれる。“いい奴”の仮面この短編には偽善者というものの...
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 【アモンティリャアドの酒樽】ポーが描く笑顔と完全犯罪の恐怖

エドガー・アラン・ポーの短編集を“有名作品の影に隠れた真珠”まで含めてじっくり味わうレビューシリーズ。今回は「アモンティリャアドの酒樽」の紹介。笑顔の裏に潜む殺意奴が憎い。殺したい。恨みがある。大嫌いだ。主人公がそんな思いを抱いたのはフォル...
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【エドガー・アラン・ポー短編集】推理・恐怖・終末──名作レビューまとめ

【エドガー・アラン・ポー短編集】推理・恐怖・終末──名作レビュー集当ブログでも特に人気の高い、エドガー・アラン・ポー短編レビュー集です😉ポーの怪奇、推理、終末テーマを幅広く紹介しています。お気に入りをぜひ探してみてください。【エドガー・アラ...
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【眼球譚】ジョルジュ・バタイユ初期代表作|狂気とエロスを描く暗黒文学レビュー

ジョルジュ・バタイユの処女小説『眼球譚』について、一般人目線でざっくりレビューしていきます。バタイユの本は、学者先生たち──論文書いて給料をもらうような人たち──がこぞって分析したがる難解さに満ちています。しかし専門書なんて、我々にとっては...
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【藪の中】芥川龍之介レビュー|真相はどこに?藪に沈む真実を探る読書体験

経緯──高校時代と今この短編を初めて読んだのは、高校生の頃だった。当然ながら、その時の私はこの作品を十分に理解していなかった。十七歳と五十歳とでは、人生経験が違うのは当たり前だ。未熟な高校生は、難しい作品を解説に頼り、あっさり答えを受け入れ...
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【ウィリアム・ウィルソン】ポー最高傑作!ドッペルゲンガーと良心を描く短編小説レビュー

エドガー・アラン・ポーの短編小説「ウィリアム・ウィルソン」を紹介します。ポー作品はどれも引き込まれる面白さがありますが、本作はその中でも屈指の傑作といえるでしょう。ドッペルゲンガー──もう一人の自分もしもあなたのそばに、あなたの行動の一つ一...
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【エドガー・アラン・ポー】「マリー・ロジェの謎」「盗まれた手紙」〜「モルグ街の殺人」の続編紹介

推理小説が生まれたとき1841年4月、エドガー・アラン・ポーが自ら編集する雑誌に発表した『モルグ街の殺人』。これが世界文学史上、初めての推理小説とされています。現代に読んでも面白すぎるこの短編小説が、当時好評を博したのも当然でしょう。そして...
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【エドガー・アラン・ポー】『モルグ街の殺人』解説|推理小説の原点と驚愕の真相

推理小説が生まれたとき1841年、エドガー・アラン・ポーによって記念すべき世界初の推理小説『モルグ街の殺人』が発表された。モルグ街で起こった残虐かつ奇妙な殺人事件──その謎を、オーギュスト・デュパンと「僕」の二人組が鮮やかに解き明かすストー...
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【泉鏡花『義血侠血』レビュー】滝の白糸の悲劇と禁じられた純愛を解説

難解な原作を、読者に代わって映画との比較を交えながら簡単に解説します。*参考YouTube動画→The Water Magician / 滝の白糸 (1933) (EN/ES)ストーリー一行は「人力車より速い」という宣伝文句に惹かれて、乗り...
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【谷崎潤一郎『神童』感想】天才児が堕落するまで──食欲・性欲・美への転落劇

中公文庫「潤一郎ラビリンス」シリーズⅢに収められている、谷崎潤一郎の短編小説「神童」を紹介する。潤一郎ラビリンス「潤一郎ラビリンス」シリーズは谷崎潤一郎の中短編をまとめたもので、あまりの面白さに全16巻を大人買いしてしまった(笑)。とはいえ...